[調査・レポート]
大企業の8割、基幹システム運用で手入力や内容確認などのアナログ業務が発生─LayerX調査
2026年4月2日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
LayerXは2026年3月31日、従業員規模2000人以上の大企業幹部100人を対象に実施した、基幹システム運用にともなうアナログ業務と経営スピードに関する実態調査の結果を発表した。基幹システムの運用においてアナログ業務が発生していると回答した幹部は80%に上り、月々の経営判断に必要な数値を1日以内に把握できている企業は35.0%にとどまった。
LayerXは、基幹システム運用にともなうアナログ業務と経営スピードに関する実態調査を実施した。調査は、従業員規模2000人以上の大企業において経営企画・経理/財務・情報システム部門を管掌する部長職以上の幹部100人を対象に、2026年2月5日から同月17日にかけてインターネットで実施した。
調査における「アナログ業務」とは、基幹システムを正常に運用するために人が行う、システムへの手入力、転記、データの整合性確認、入力内容確認などの業務を指す。調査の背景として、基幹システムを導入しても、人手によるアナログ業務が残り続けているケースは少なくない。
経営判断に必要な数値をどの程度の期間で把握できているかを聞いたところ、「リアルタイム(1日以内)」との回答は35.0%にとどまり、残りの65.0%はリアルタイムでの把握ができていないことが分かった(図1)。把握までにかかる期間の内訳は、「2~3日程度」が27.0%、「4~5日程度」が12.0%、「1週間程度」が9.0%と、多くの企業で数日以上のタイムラグが生じている。
図1:経営判断に必要な数値を把握するまでの期間(出典:LayerX)拡大画像表示
基幹システム(ERPなど)の運用に際してアナログ業務がどの程度発生しているかを聞くと、「膨大に発生」が19.0%、「かなり発生」が37.0%、「多少は発生」が24.0%となり、合わせて80.0%でアナログ業務が発生していた(図2)。
図2:基幹システムの運用にあたって発生しているアナログ業務の量(出典:LayerX)拡大画像表示
経営判断に必要な数値を把握するまでの期間別にアナログ業務の発生状況を分析したところ、リアルタイムに把握できていると回答した人(n=35)のうち、アナログ業務が「膨大に発生している」または「かなり発生している」と答えた割合は合計71.5%に達した(図3)。
図3:経営判断に必要な数値を把握するまでの期間で分けた、アナログ業務の発生状況(出典:LayerX)拡大画像表示
把握までの日数が増えるほどアナログ業務が発生していると回答する割合が低下する傾向も確認できた。LayerXはこの結果について、「経営判断に必要な数値をリアルタイムに把握しようとするほど、システムへの手入力・転記・データの整合性確認といったアナログ業務が多く発生する」と推測している。
デジタル投資の費用対効果に関する質問では、「デジタル投資が、アナログ業務やコストを生んでいる」と感じると回答した割合が78.0%(「強く感じる」32.0%、「やや感じる」46.0%)に上った(図4)。
図4:デジタル投資がアナログ業務やコストを生んでいると感じるか(出典:LayerX)拡大画像表示
調査結果を踏まえてLayerXは、「経営判断に必要な数値を早期に把握して経営スピードを高めようとする企業ほどアナログ業務が多く発生している。基幹システムに至る前段業務の設計に問題がある。リアルタイム経営の実現には業務プロセスそのものの再設計が求められる」と指摘している。
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