Sansanは2026年4月20日、契約業務クラウドサービス「Contract One」においてMCPサーバー機能の提供を開始すると発表した。対話型の生成AIツールとContract Oneの契約データベースを接続できるようになる。業務で活用している生成AIから自社の契約書を踏まえた出力を得られるので、法務担当者は契約書作成やレビューなどを省力化できる。
Sansanの「Contract One(コントラクトワン)」は、契約書の形式(紙の契約書、電子契約書など)を問わず、契約業務がオンライン上で完結するクラウドサービスである(関連記事:Sansan、契約業務クラウド「Contract One」に新旧契約書の差分を比較する新機能)。
紙の契約書をクラウド上で受領し、AI-OCR(光学文字認識)でデータ化して電子的に保存する。紙の契約書を締結する場合は、Contract Oneが押印・印刷・製本、発送を代行する。また、主要な電子契約サービスと連携し、企業における電子契約を管理する。
今回、MCP(Model Context Protocol)サーバー機能を追加し、対話型の生成AIツール(MCPクライアント)と接続できるようにした(図1)。生成AIの画面上で、Contract Oneのデータベースを踏まえた出力を得られるようになった。
図1:契約業務クラウドサービス「Contract One」に追加したMCPサーバー機能の概要(出典:Sansan)拡大画像表示
例えば、生成AIに簡単な指示を入力するだけで、暗黙知になりがちな「どの条件なら許容できるか」という判断基準をまとめた「自社基準」を作成できる。さらに、契約書のドラフトを入力すると、自社基準を参照しながら、注意すべき点を出力する(画面1)。
画面1:「Contract One」の契約データベースをMCP経由で参照している生成AIサービスの画面(出典:Sansan)拡大画像表示
Contract Oneは生成AIに対して精度の高いデータを提供するとしている。契約書をデータ化しているほか、関連する契約書をひも付けており、社名変更などがあっても同一の会社として参照可能である。また、Sansanが保有する240万件以上の企業情報も活用できる。
背景として、法務業務では、「類似契約ではどのような条件で合意してきたか」といった、過去の判断を踏まえた意思決定が不可欠である。こうした知見は過去の契約書に反映されている。法務担当者は従来、契約書を手作業で確認しながら判断しており、判断の経緯が担当者個人の知識にとどまりやすく、他の担当者が類似案件を扱う際に過去の判断材料を活用しにくかった。
近年では法務業務でも生成AIを活用する動きが広がっているが、AIが自社の契約書を参照できなければ実務に即した判断はできない。こうした状況を受け、自社の契約書を生成AIが横断的に参照できるようにMCPサーバー機能を追加した。
Sansanの総務法務部ビジネス法務グループは、MCPサーバー機能を先行して活用している。これにより、生成AIサービス上で過去の判断を活かした契約審査が可能になり、審査時間が約40%短くなった。
Sansan / Contract One / MCP / 契約管理
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