[市場動向]

米Saviynt、アシストと共同出資で日本法人を設立、AIエージェントのID管理需要を取り込む

AI時代の非人間アイデンティティ(NHI)管理に注力

2026年6月5日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三

アイデンティティセキュリティベンダーの米Saviyntとアシストは2026年6月4日、共同出資によりSaviyntの日本法人「Saviynt Japan株式会社」を設立したと発表した。「Saviynt」は、外部委託を含む企業のグループ全体にまたがったIDとアクセス権限を一元的に可視化・管理するアイデンティティセキュリティ基盤。日本法人は今後、パートナー連携の強化やAI時代のID管理に関するベストプラクティスの発信などを進める。

 アイデンティティセキュリティベンダーの米Saviynt(セイヴィエント)とソフトウェア販売/SIベンダーのアシストは、共同出資によりSaviyntの日本法人「Saviynt Japan株式会社」を設立した。資本金は500万円で、出資比率はSaviyntが65%、アシストが35%。東京都港区に拠点を置き、代表取締役にSaviyntのCOO、シャンカー・ガナパシー(Shankar Ganapathy)氏が就任した。

 米Saviyntは、アイデンティティセキュリティプラットフォーム「Saviynt」をグローバルで提供している。オンプレミスとクラウド、さらに外部委託なども含むグループ企業全体にまたがったIDとアクセス権限を一元的に可視化・管理する。

 Saviynt Japanは、日本市場向けに製品とサポートを提供する中核拠点となる。今後、パートナー連携の強化、セミナーなど通じた市場理解の促進、AI時代のID管理に関するベストプラクティスの発信などを進める。2028年末までに40人体制を計画する。

 Saviyntのコア機能は、IDガバナンス管理(IGA)、アイデンティティセキュリティ態勢管理(ISPM)、特権アクセス管理(PAM)である。IGAは、組織のIDとアクセス権限のライフサイクル管理と棚卸しを自動化し、人事異動や退職時の権限変更漏れなどを防ぐ。ISPMは、組織内のIDとアクセス権限のリスクを継続的に可視化し、シャドーIDや過剰権限などを検出する。PAMは、アドミニストレーターなど特権IDのアクセスを制御し、必要時のみ権限を付与する。

 AIエージェントやAPIキーといった非人間アイデンティティ(NHI)の管理にも力を入れるとしている。システム環境にあるNHIを自動検出し、IDの棚卸しやアクセス権限管理、監査証跡の記録、実行時のアクセス制御などを行う。実行時にアクセスゲートウェイ経由で許可・拒否・人間による介入を実施する仕組みも持つ。

 アシスト 代表取締役社長の大塚辰男氏は「サイバーセキュリティはIT課題から経営課題へと重みが増している。システムやデータにアクセスするのは今や人間だけではない。ゼロトラストを前提に人間とAIの両方のIDを管理する必要がある」と強調した。

 Saviynt Japan取締役の小西雅宏氏は「業務システム、SaaS、その他のアプリケーションにまたがってIDが断片化・サイロ化している。非人間アイデンティティも急増している」と指摘し、それへの対策を訴えた(写真1)。

写真1:左から、米Saviynt SVP of APJのAlex Lei氏、Saviynt Japan 代表取締役のShankar Ganapathy氏、アシスト 代表取締役社長の大塚辰男氏、米Saviynt SVP, ProductsのVinit Shah氏、Saviynt Japan 取締役の小西雅宏氏
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