[市場動向]

日本オラクルが示す、「基幹系AI」時代に向けた体制と、AI時代のサイバー脅威への対策

2026年7月16日(木)神 幸葉(IT Leaders編集部)

日本オラクルは2026年7月7日、2027年度の事業戦略およびサイバーセキュリティ対策に関する説明会を開催した。2027年度は「AI Changes Everything」を掲げ、AIエージェントが自律的に業務を行う「基幹系AI」時代の到来を強調。ワンストップなデータプラットフォームの強みを活かし、産業別DXを支援する。セキュリティ面では、高度化するAIの脅威に対抗し、現場の課題をダイレクトに解消するための2つの包括的なオファリングを発表した。

好調の背景と「日本のためのクラウド」戦略

 日本オラクルが、2027年度の事業戦略およびサイバーセキュリティ対策に関する説明会を開催した。同社 取締役 執行役 社長の三澤智光氏(写真1)は、オラクルのFY26の売上高が日本円換算で約10.8兆円に達し、前年の約8兆円規模から着実に拡大していることを紹介。契約済みの受注残高は100兆円を超えており、1年以内に約12兆円、3年後には約35兆円が順次売上計上される見込みだという。

写真1:日本オラクル 取締役 執行役 社長 三澤智光氏

 日本オラクル単体でも通期売上高は前年同期比8.2%増の2850億円を記録。国内市場では、オンプレミス事業の好調に加え、「OCI(Oracle Cloud Infrastructure)」やSaaSの成長が確実に結実していると語った。

 日本オラクルが一貫して掲げてきた戦略が「日本のためのクラウド」と「お客様のためのAI」である。日本のためのクラウドにおける直近の最たる成果が、ソブリン(主権)体制の整備だ。主要パートナーである野村総合研究所、富士通、NTTデータ、ソフトバンク、日鉄ソリューションズにクラウド基盤構築ソリューション「Oracle Alloy」を提供。ソブリンのニーズに対応したクラウドおよびAIを提供するためのパートナー連携を強化した。さらに、Japan Operation Center(JOC)を設立し、国内の専任運用組織がすべてのオペレーションを完結する体制も整えた。

 現在、日本国内では、パブリッククラウド、分散クラウドを含めて16リージョンが稼働中だ。構築中の4つのリージョンを加えると計20リージョンとなり、国内最大規模になる。特に、日鉄ソリューションズの西日本データセンターは、九州では初となるハイパースケールのクラウドデータセンターになるという。

●Next:「基幹系AI」時代に向けたオラクルの強み、セキュリティ脅威に対する包括的なオファリング

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