「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システム/IT部門の役割となすべき課題解決に向けて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見共有を促し支援するユーザーコミュニティである。IT Leadersはその趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加している。本連載では、同倶楽部で発信しているメンバーのリレーコラムを転載してお届けしている。今回は、CIO賢人倶楽部 会長 木内里美氏からのオピニオンである。

進化する生成AIの衝撃と違和感
2022年にChatGPTがリリースされてから4年弱。生成AIは先の姿が読めないほど指数関数的な進化が続いている。その衝撃の大きさはインターネットの商用サービス開始やiPhoneの登場に勝るとも劣らない。
個人も企業も生成AIの可能性や振る舞いに魅了されている。個人の一部には肯定的な応答や自身の能力を拡張してくれることなどから過度な生成AI依存傾向も感じられる。例えば子供たちや若い人はChatGPTを”チャッピー”などと呼び、まるで信頼できる友のように接している。
企業ではAIエージェントを導入して業務処理に生かす取り組みが始まっている。米Anthropicが提供する最新モデル「Mythos」のように高いサイバーセキュリティ能力を持ち、OSやWebブラウザの脆弱性を発見してしまうことから公開が制限されるほどの生成AIも出現した。Mythosに限らず生成AIには人間の能力を遥かに超える面があり、用途や可能性は果てしないように見える。
ところが実際に使ってみると、違和感を覚えることも少なくない。ハルシネーションと呼ばれる誤った情報を提供するからではない。異常に肯定的で好意的であるとか、どことなく無機質な感じを受けるからだ。そのことが子供たちにもたらす精神的な影響はいずれ社会問題になる恐れがある。
●Next:AIの肯定的で好意的な正論か、人間の生き様や経験に基づく言葉か
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