[市場動向]
富士通、“自己進化型”のマルチAIエージェント開発・運用基盤「Kozuchi Multi AI Agent Framework」を発表
2026年7月14日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三
富士通は2026年7月13日、マルチAIエージェントシステム(MAS)の開発・運用フレームワーク「Fujitsu Kozuchi Multi AI Agent Framework(MAAF)」を発表した。7月15日よりMAAFの先行検証を開始する。“自己進化型”のマルチAIエージェント技術をコアに、業務知識からAIエージェント群を自動で構成すると共に、実行結果や人のフィードバックからMASを継続的に改善する仕組みを備えている。
富士通の「Fujitsu Kozuchi Multi AI Agent Framework(MAAF)」は、業務に特化したマルチAIエージェントシステム(MAS)を開発・運用するためのフレームワークである。
“自己進化型”のマルチAIエージェント技術をコアに、業務知識からAIエージェント群を自動で構成すると共に、実行結果や人のフィードバックからMASを継続的に改善する仕組みを備えている(図1)。
図1:MAAFにおいてAIエージェントが自己進化する仕組み(出典:富士通)拡大画像表示
「AIエージェントを業務に適用する取り組みが進む一方で、AIエージェントを構築しても、制度改定、仕様変更、顧客要望の変化に追随できず、PoCで終わってしまうケースがある」(富士通)。加えて、ある業務で得られた成功パターンや失敗の理由が別の業務で十分に活用できず、AIエージェントの開発・運用ノウハウが個別最適にとどまりやすいことを指摘する。
富士通は、こうした課題を解決するためにMAAFを開発した。コアとなる自己進化マルチAIエージェント技術は、同社が2026年5月に発表した技術をベースとした「AIエージェントが業務を遂行しながら自律的に学習し、性能を継続的に高める技術」と説明している。現場ルールの変更や人からのフィードバックなどを基に、AIがみずから判断基準を更新する(関連記事:富士通、業務を遂行しながら学び続けるAIエージェント技術、人手でのプロンプト調整を不要に)。
MAAFのフレームワークとしての特徴を3つ挙げている。
(1)業務知識からAIエージェントシステム(MAS)を自動で構成
業務マニュアルや設計書に加え、商談や会議の録画・録音までも業務知識として読み込み、自動化したい内容を読み取って複数の自動化案を提案する。専門コンサルタントによるヒアリングのように、設計の決め手となる論点を的確に問い返す対話型のセッションを備え、要件定義書を書き起こす手間を省くという。
(2)自己進化型のマルチAIエージェント技術
業務実行の履歴や人のフィードバックを基に、AIエージェントのプロンプトやスキル、ワークフロー、利用ツール、役割分担の改善候補を生成する。改善によって性能が低下する「誤進化」を防ぐため、候補を実行環境で検証し、効果を確認した変更のみを反映する。重要な変更には人の承認を組み込み、変更履歴を監査可能な形で残す。
(3)AI活用の継続的な拡大を支援
自己進化型のマルチAIエージェント技術で得た成功パターンや失敗理由、評価結果、修正履歴を蓄積し、類似のユースケースでも活用できる形に整理する。例えば、小売業の発注支援における例外対応の考え方や、システム刷新の影響分析の手順、営業支援における提案準備のノウハウなどを、他業務のAIエージェント構築や改善に活用する。
富士通は今後、MAAFをAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」および業務特化型の生成AI/大規模言語モデル(LLM)「Takane」と連携させ、業務に特化したAIエージェントの開発・運用を進める。小売業の発注業務、システム開発・モダナイゼーションにおける調査・影響分析・テスト、営業業務における提案準備・受注計上など、複雑で属人化しやすい業務領域への適用を広げるという。
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