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日立、プロセス製造業の「最適運転ガイダンスシステム」を発表、フィジカルAIで生産工程をサイバー空間に再現/分析

業務知識を組み込んだプロセスモデルと、適切な制御方法を示す制御モデルで構成

2026年7月8日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三

日立製作所は2026年7月7日、プロセス製造業向け生産運転支援システム「最適運転ガイダンスシステム」を2026年内に販売開始すると発表した。化学品など少量多品種のバッチ生産プロセスをフィジカルAIでサイバー空間に再現・分析し、DCSやPLCの最適な制御方法を提示する。オペレーターの技量・経験に左右されず、将来変化の予測を踏まえて設備を操作できるようになるという。

 日立製作所の「最適運転ガイダンスシステム」は、プロセス製造業向けの生産運転支援システムである。化学品など少量多品種のバッチ生産プロセスをフィジカルAIでサイバー空間に再現・分析し、DCS(分散制御システム)やPLC(プログラマブルロジックコントローラ)の最適な制御方法を提示する。2026年内に販売開始する(図1)。

図1:フィジカルAIを用いたプロセス製造業向け「最適運転ガイダンスシステム」の概要(出典:日立製作所)
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 開発の背景を次のように説明する。「化学品などのプロセス産業は安価な製品に対抗するため、高付加価値品の少量多品種生産を行うバッチ生産が必須となっている。各工程が独立しており、運転条件の変更、原料素材の投入、入れ替え作業などの手動操作が発生しやすい。オペレーターの習熟度合いによって、製品品質、製造時間、生産性などにばらつきが生まれる」。

 同システムは、生産工程で重要なプラントの反応設備を対象に、設備内部で反応中の素材の状態を可視化する。さらに、特定の制御が素材に与える影響を予測し、温度、圧力、流量などの操作ガイダンスをオペレータに提示する。オペレーターの技量・経験に左右されず、将来変化の予測を踏まえて操作できるようになる。

 業務知識を組み込んだプロセスモデルと、適切な制御方法を提示する制御モデルの2つのAIモデルを組み合わせている。

 プロセスモデルは、反応設備の内部状態を予測するにあたり、エネルギーや物質の出入りを、日立の化学・化学工学の専門知識に基づいた理論式を用いて計算。設備の経年劣化など定式化が難しい部分はAIを用いて予測する。これにより、理論式に基づく内部の計算結果を可視化する。AIに現場の知見を組み込めるため、従来のAI技術よりも少ないデータで精度を保った予測ができることも確認したという。

 制御モデルは、過去のバッチ生産における運転データを強化学習する。少ないエラー回数、高い製品品質、短い運転時間といった、運転結果が良好だった条件に基づく設備設定の候補をオペレーターに提示する。

 「バッチ生産は運転状態が時間経過と共に変わり、その時々の最適な操作をAIに学習・予測させるのにコストと時間がかかる」(日立)問題を解決するため、効率的に学習・予測する技術を開発した。独自のクラスタリング技術を用いて状態を定義し、定義した状態の時系列変化を強化学習させる仕組みである。この手法を過去に検討した強化学習手法と比較したところ、比較的短時間で学習・予測が可能であることを確認したという。

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