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米IBM、“2.0”時代のWebアプリケーション開発環境を公開

2007年7月12日(木)IT Leaders編集部

米IBMは2007年6月30日、Webアプリケーションのための新しい開発・実行環境を「Project Zero」として公開した。プロジェクト名の「Zero」には、無駄なオーバーヘッドや意味のない複雑さを「ゼロ」にして、迅速に機能やサービスを開発、リリースするという目標にとって障害となるものを排除する(ゼロにする)という意味を込めたという。

【開発】米IBM、“2.0”時代のWebアプリケーション開発環境を公開

 米IBMは、6月30日、Webアプリケーションのための新しい開発、実行環境を「Project Zero」として公開した。プロジェクト名の「Zero」には、無駄なオーバーヘッドや意味のない複雑さを「ゼロ」にして、迅速に機能やサービスを開発、リリースするという目標にとって障害となるものを排除する(ゼロにする)という意味を込めたという。

 Project Zeroの環境には、Groovy(Javaの環境の中で使いやすいことを目指して開発されたスクリプト言語。これ自身の実行環境がJavaで実装されている)およびPHPのランタイムと、それぞれのスクリプトから利用できるAPI――RESTスタイルのサービスを利用したり、リッチなWebインターフェイスを構築したりできる――が含まれている。現状では、Eclipseのプラグイン(Groovy版とPHP版)と、Eclipseなしで利用できるコマンドライン版の計3種類のパッケージが公開されている。

 なお、このProject Zeroは、オープンソースプロジェクトではないと明言されている。つまり、ここで開発しているものはオープンソースソフトウェアではなく(ソースコードをダウンロードできるが、それを自由に利用できるわけではない)、開発のやり方も、必ずしもオープンソース的ではないということだ。同プロジェクト自身は、これを「Community-Driven Commercial Development」と呼んでいる。

 彼らの説明によると、製品化を前提にしているソフトウェアを、オープンソースプロジェクトのように多くのフィードバックを得ながら開発していく、ということらしい。オープンソース的なやり方で外部から多くの協力を得ながら、同プロジェクトが仕事して継続的に取り組むという「いいとこ取り」というつもりのようだ。

 しかし、外部からの参加者には、このプロジェクトが前進することによって自分が得られる全体的なメリットが見えにくく(オープンソースプロジェクトでは、そのソフトウェアの改良や進化が自分の利益になることが、それにコントリビュートするための基本的なモチベーションとなっている)、本当に期待しているほどのフィードバックが得られるのかは疑問なところもある。彼らにしてみれば、もともと製品化を前提に仕事として取り組んでいるプロジェクトなので、フィードバックがそれほどなくても困らない、少しでも宣伝効果があれば、ということなのかもしれないが。

 なお、1つ注意が必要なのは、このプロジェクトは、あくまでも「incubator project」の1つであるということ。つまり、IBMが社として進めている戦略や方針と、必ずしも一致していない可能性がある。公開されている情報を見る限り、このプロジェクトはWebSphereのグループから出てきたもののようで、「Community-Driven Commercial Development」という、同社のLinuxや他のオープンソースソフトウェアへの取り組みと比べれば、やや時代錯誤にも見える方針が打ち出されているのは、その出自が影響しているのかもしれない。

 いずれにせよ、“2.0”的なWebアプリケーション(あるいはシステム、サービス)を作るための環境がIBMから(やや実験的な位置づけとはいえ)出てきたということは、開発側の視点でも“2.0”的なものへ向かう流れが不可避だと受け止められていることの現れだといえるだろう。

 今はまだ、“2.0”といえば、サービスや機能などの表面的な目新しさばかりに目がいきがちだが、Webがプラットフォームとして広く普及するためには当然ながら開発環境の充実は不可欠である。すべてのWebは“2.0”へ向かう――このことが間違いないのだとすれば、それを下支えする開発環境のような「裏方」の充実がどのように進むのかも、きっちり見届けておく必要がある。

【FYI】Enterprise 2.0のソーシャルニュースサイト

 iUG(intra BLOG/SNS Users Group)は2007年6月30日、トピックをEnterprise 2.0にフォーカスしたソーシャルニュースサイト「iUG-newsing」を開設した。ブログやSNSに限らず、企業システムの新しいトレンド全般を扱っていくという。iUGは、2005年11月に、「社内ブログ/SNSの活用事例・運用ノウハウを共有するための、ユーザーやベンダの垣根を越えたオープンなディスカッションの場」として設立された団体。

【ビジネス】NetSuiteがIPOへ

 ERPやCRMなどをWebベースのアプリケーションとして提供している米NetSuite社は、2007年7月2日、米国証券取引委員会に関連書類を提出し、株式公開への準備を進めていることを明らかにした。同社は、OracleのCEOであるLawrence Ellisonが出資して創業した会社として知られている。

【新製品】エンタープライズサーチのクローリング時間を短縮

 アクセラテクノロジ株式会社は2007年7月6日、同社のエンタープライズサーチ製品「Accela BizSearch」のオプションとして、インデックス情報の更新を高速化する「インデクシング高速化オプションNTFS用」を発表した。インデックスの更新を、ネットワーク内の文書をすべてクローリングすることで行うのではなく、ネットワーク上を流れる文書ファイルの更新に関するパケットを監視し、それに応じてインデックス情報を更新する。

 一般に、インデックス対象となる文書が増大すると、クローリングによるインデックス更新では処理時間もそれに応じてリニアに増えてしまう。しかしこの高速化オプションの方式では、インデックス更新の対象となるファイルを(パケットを監視することで)特定できているため、更新文書を探してクローリングするオーバーヘッドを削減することができるとしている。価格は、データ容量1Tbytesまでが500万円、データ容量無制限の場合は2000万円。

【セミナー】エンタープライズサーチの4社製品を紹介

 NECソフトは2007年7月25日、企業内検索システムの構築に関するセミナーを開催する。エンタープライズサーチ製品4社(アクセラテクノロジ:BizSearch、ジャストシステム:ConceptBase V、住友電工情報システム:QuickSolution、ファーストサーチ&トランスファ:FAST ESP)との共催で、各ソリューションの情報をまとめて得ることができる。要申し込み。

  • 日時:2007年7月25日(水)14時30分~17時00分
  • 場所:NECソフト本社ビル(新木場)

【セミナー】イントラブログ活用

 ビジネスブログ構築などを手がける株式会社スカイアークシステムは2007年7月13日、「イントラブログ活用セミナー:最新のイントラブログ成功事例」と題したセミナーを開催する。要申し込み。

  • 日時:2007年7月13日(金)14時~16時45分
  • 場所:サン・マイクロシステムズ株式会社本社27階

【セミナー】アクセラテクノロジのエンタープライズサーチ製品

 アクセステクノロジ株式会社は2007年7月13日、同社製品を紹介するセミナーを開催する。要申し込み。

  • 日時:2007年7月13日(金)15時~17時30分
  • 場所:東京コンファレンスセンター・品川 403号室

(Weekly Digest 2007年7月9日版)

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