セールスフォース・ドットコムは、同社のPaaS(Platform as a Service)である、Force.comの特性をさまざまな側面から紹介するイベントを目黒雅叙園で開催した。同イベントには、基調講演から1000 人に近い参加者を集め、盛況をきわめていた
PaaSの認知度拡大に向けて、日本で初めてのTOUR de force
基調講演には、同社会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏をはじめ、英国CODAのCEOジェレミー・ロッシュ氏、テラスカイ佐藤秀哉氏、ウィルコム工藤恵記氏などが相次いで講演およびForce.comで開発されたアプリケーションのデモンストレーションを行った。
午後のブレイクアウトセッションでは、IT管理者向け、プログラマ、ISV・起業家向けといった目的別のセッションが行われた。いずれのセッションも立ち見が出るほど盛況だったが、とくに「SaaSビジネス成功の秘密」「Force.comパートナープログラムのご紹介」といったセッションは人気が高く、ISVなどのPaaSへの関心の高さを裏付けていたといえるだろう。
Force.comは、クラウドコンピューティング環境におけるアプリケーションの開発環境として、データベース、ビジネスロジック、ワークフロー機能をあらかじめ備えており、新たにコードを記述する部分は非常に少なくなる。また、Force.comの機能を利用すれば、データベースシステム、アプリケーションサーバー、ウェブサーバーといったソフトウェア資産が不要となり、さらにハードウェアリソースやデータセンターの運用管理も不要となる。まさにインフラストラクチャから解放された環境でアプリケーションの開発を行い、短期間でアプリケーションの開発を行うことが可能となる。
もちろん、すべての企業におけるITニーズをまかなうことはできないかもしれないが、企業のITニーズを満たす選択肢として十分検討に値するプラットフォームとして期待できる。
セールスフォース・ドットコム、Force.com Toolkit for google Data APIsを発表
セールスフォース・ドットコムは、Googleとのグローバルアライアンスを拡張し、新しい開発者向けツールキット「Force.com Toolkit for google Data APIs」を発表した。このAPIは、Force.comを基盤としたアプリケーション開発において、Googleサービスのデータに対応する共通のAPIセットを提供する。Google Appsのデータとコンテンツに対して、Force.comのデータベース、ロジック、ワークフロー機能を利用したビジネスアプリケーションの構築を、クラウドコンピューティング環境において利用可能とする。
開発者は、「Force.com Toolkit for google Data APIs」によって、Force.comのApexコード内でGoogle Data APIに直接アクセスし、Force.comのデータベース、インテグレーション、Apexプログラミング言語、Visualforceユーザーインターフェイスなどの機能と連携するユーザー環境やウェブアプリケーションを構築できるようになる。また、構築されたアプリケーションは、AppExchangeを通じてユーザーに提供可能となる。
「Force.com Toolkit for Google Data APIs」は、以下のWebサイトで無償提供される。