日本ヒューレット・パッカード (日本HP) は2009年2月9日、クラウドコンピューティング実現のための運用管理ソフトウェア製品、ラックマウント型サーバー、無償アセスメントサービスなどの提供を同時に発表した。発表した製品群は、運用管理ソフトウェア製品の「HP Insight Dynamics - VSE 4.1」、「HP Insight Orchestration」と「HP Insight Recovery」。日本専用のラックマウント型サーバー「HP SE2120」。無償アセスメントサービス「アダプティブ・インフラストラクチャ成熟度モデル Ver.2」。また同時に、クラウドコンピューティング実現に向けた統合ソリューションを提供するタスクチーム「NGDCイニシアティブ」の設立も発表した。
日本HPはこれまで、社内向けIT環境を中心にITインフラストラクチャを展開してきたが、今回、サービスのポートフォリオを拡大し、「アダプティブ・インフラストラクチャ」を進化させ、社内向け、サービス提供事業者向け双方のIT環境の生産性向上を提案する。
運用管理ソフトウェア製品の詳細と特長は、次のとおり。
「HP Insight Dynamics - VSE 4.1」
HP ProLiantサーバーおよびHP Integrityサーバー上の物理および仮想リソースのキャパシティを分析し、プロビジョニング(システム構成・変更・移動など)を実現する統合管理ソリューション。バージョン4.1では、新たなハイパーバイザ、マルチサーバー環境への対応を強化し、システム管理効率の向上と工数の削減を実現する。
- ハイパーバイザとしてVMWare ESX に加え、Microsoft Windows Server 2008 Hyper-V およびVMWare ESXiに対応。
- HP Integrity Virtual Machinesにオンライン移行機能を追加。
- 論理サーバー(ハードウェアに依存する情報をプロファイルとして定義したもの)の対象として、HP Integrity ブレードサーバーに対応。
「HP Insight Dynamics - VSE 4.1」(HP ProLiantサーバー環境向け)の価格は15万7500円(税込み)、2月9日より出荷開始。
「HP Insight Dynamics - VSE 4.1」(HP Integrityサーバー環境向け)の価格は10万5000円~(税込み)、2月9日より出荷開始。
「HP Insight Orchestration」
本製品は、「HP Insight Dynamics - VSE」を拡張する製品で、複数のサーバー、例えばWebサーバー、DBサーバー、アプリケーションサーバーを1つのシステム構成としてテンプレート化し、自動的なプロビジョニングを実現することで、システム構築の効率化を図ることができる。
- 直観的な操作を可能にするGUI環境。
- システム構成のテンプレート化による標準構成の迅速な共有と再利用。
- セルフサービスポータルによる自動的なプロビジョニング機能。
価格は9万4500円~(税込み)、3月上旬より出荷開始。
「HP Insight Recovery」
HP StorageWorks Continuous Access EVA と連携し、「HP Insight Dynamics - VSE」で構築した物理および仮想リソースのデータレプリケーションを可能にし、複数のサイト間でのディザスタリカバリ環境を実現する。
価格は、11万5500円~(税込み)、3月上旬より出荷開始。
スケールアウト環境向けx86サーバー「HP SE2120」の詳細と特長は、次のとおり。
「HP SE2120」は、特に日本のサービスプロバイダからの要望の高かった要件を盛り込んだ日本専用モデル。
- 1Uラックマウント型筺体に2台のサーバーノードを標準搭載する高密度設計。
- 2台のサーバーノードを並列することで通気の方向を統一。
- 低消費電力。
- ノードごとに独立したサービス性。
- Windows、Red Hat、無償Linux CentOSの動作検証を実施。
「HP SE2120」(2ノード標準搭載)の価格は37万8000円~(税込み)、今春より出荷開始予定。
無償アセスメントサービス「アダプティブ・インフラストラクチャ成熟度モデル Ver.2」の詳細と特長は次のとおり。
「アダプティブ・インフラストラクチャ成熟度モデル Ver.2」は、HPが実践した「アダプティブ・インフラストラクチャ」構築のノウハウと顧客1000社以上のITシステムの状況調査に基づき、顧客のIT環境を可視化し、「アダプティブ・インフラストラクチャ」実現までのロードマップを提示する無償アセスメントサービス。日本では、2008年1月より提供しているが、その後、サービス内容やテクノロジーの幅が広がり、今回のポートフォリオ強化や領域の拡大に対応し、アセスメント内容を拡張して提供する。
- クラウドコンピューティングへの対応。
- クラウドコンピューティングを実現するために拡張された仮想化、自動化、管理ソリューションを、提案ポートフォリオに追加。
- レポート内容の詳細化。
- より具体的なソリューション、製品、サービスの推奨を、ロードマップとして提示。
- グリーンITへの対応。
- エネルギー効率、カーボンフットプリントなどを網羅した「グリーンITインデックス」を提示。
クラウドコンピューティング実現に向けたタスクチーム「NGDCイニシアティブ」の詳細と特長は次のとおり。
「NGDCイニシアティブ」は、サーバー、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアといった製品、ファシリティサービスやアプリケーション開発、アウトソーシングなどのサービスを統合的に顧客に提供する。全社横断のタスクチームを設立することで、クラウドコンピューティング実現に向け、統合されたソリューションを提供できる体制を整えた。
ポートフォリオ拡充の詳細
http://www.hp.com/jp/proliant_20090209/
「HP Insight Orchestration」
http://www.hp.com/jp/insightorchestration/
「HP Insight Recovery」
http://www.hp.com/jp/insightrecovery/
「HP SE2120」
http://www.hp.com/jp/se2120/
「アダプティブ・インフラストラクチャ成熟度モデル Ver.2」
http://www.hp.com/jp/ai/