日本アイ・ビー・エム (日本IBM) は2009年2月13日、常に変化するデータセンター内の温度情報をセンター内に設置されているIT機器や温度センサーから収集し、複数の空調機器をリアルタイムに制御するための自動空調管理ソリューション「Intelligent Facility Manager (インテリジェント・ファシリティ・マネージャー)」を2009年4月1日から提供すると発表した。本ソリューションにより、ホット・スポットと呼ばれる熱だまりや冷やしすぎを解消することで、IT機器の安定稼働環境を確保し、効率の良い温度管理と省電力の実現を可能にする。
これまでの空調管理は、データセンターの壁などに設置したセンサーからの情報で空調設備を制御しているため、部分的な温度上昇や過冷却の発生や、全体的な過冷却によるエネルギー効率の低下を招くことがあった。
しかし、本ソリューションは、IBM製サーバーが標準装備しているセンサーや任意の位置に設置した温度センサー等からのデータをもとに、サーバー、ラックへの給気温度が最適になるような空調制御をファシリティ管理システムに要求する。これにより、部分的な温度変化に対応するというもの。また、空調機器に異常が生じた場合には、警告を発し、同時にバックアップ空調機の出力を上げて、異常が起きたゾーンを適正温度に管理することができる。
本ソリューションは、50台程度のラックで、気流管理の最適化などによる空調効率改善 (ベストプラクティス適用) をした環境での空調設備制御の実証実験で、従来の消費電力を23%低減することが確認されている。
「Intelligent Facility Manager」の主な特長は以下のとおりです。
- データセンター内の任意の位置への温度センサーの配置
- 配置温度センサーとサーバーの温度情報の収集と可視化
- 配置温度センサーとサーバーの温度監視点に対する要求温度の設定
- 設定された要求温度による空調管理
- 温度異常、空調機異常への対応
- 空調機情報の収集と表示