[ユーザー会通信]

課題解決/異業種交流/人材育成の3軸で会員企業に真に役立つ活動を目指す─東芝ITユーザ会(TUG)

ユーザー会通信 第5回 東芝ソリューション

2009年2月27日(金)IT Leaders編集部

今回紹介するのは「東芝ITユーザ会(TUG)」。TUGの前身は、東芝のTOSBAC(同社の汎用機)のユーザーが集まり、会員相互の情報交換、スキルアップ、親睦交流を目的に1965年に発足した「TOSBAC研究会」。90年にはオープン化の流れとともに「東芝コンピュータユーザ会」へと名称変更し、さらに2003年に東芝e-ソリューション社(東芝のITソリューション部門)が東芝ソリューションとして分社化したのに伴い、現在の名称「TUG」へと名称変更した。

 現在の会員数は約600社。活動の軸となるのは本部を含む全国10の地区TUGだ。それらを中心に、発足時と同様、課題の解決、異業種交流、人材育成の3つのテーマを掲げて年間のべ150回におよぶ活動を展開している。

 TUGの特徴は、活動そのものに企業色、製品色がほとんどないところだ。「真に会員企業に役立つユーザ会」というスローガンを掲げているように、自社の製品やサービスにこだわることなく、会員に役立つ活動を展開することがテーマとなっている。

 例えば全国TUGの活動の1つであるシステム研究会では6つの分科会を形成しているが、各分科会で取り上げるテーマはすべて旬なITの話題を基にしたものになっている。2008年度のテーマは「システムにおける品質リスク研究分科会」「セキュリティ対策の可視化研究分科会」「After J-SOX研究分科会」「Web活用研究分科会」など。

 なかでも同会のユニークさを表しているのが「システム開発の実践にチャレンジする分科会」。ここでは実際に要件定義からテスト工程まで、システム開発のすべてが経験できるようになっており、若手技術者の人材育成にも役立っているという。また、システム研究会の各分科会には東芝ソリューションのIT技術研究所のメンバーが参加し、参考となるアドバイスも行っている。

 各地区TUGで開催されるセミナーは、「IT部門以外の人にも参加してもらいたい」というTUGのもう1つの特徴がよく表れた内容となっている。セミナーの内容はITに関するものではなく、プレゼンテーション技法などのヒューマンスキル系や、メンタルヘルス系のものが中心。

 中でも評判が高いのがメンタルヘルス系のセミナーだ。現場の声を直接聞いている東芝の保健師が講師となり、身近な例を元に予防という観点を含んだ内容となっている。また関東TUGでは女性講座も毎年1回開催。女性だけを参加対象とし、運営も女性のみで構成。今まで出席しづらかった女性の参加を促している。

 同会は主要目的の1つである人材育成面のサポートにも力を入れている。会員企業にはeラーニングサービス「TUG e-Learning」を、一般向けの「東芝e-Learning」(東芝OAコンサルタント)よりも2割程度安い会員特別価格で提供している。

TUG 概要
設 立 1965年
趣 旨 ITに関する情報交換、異業種交流、人材の育成
会員数 約600社
年会費 2万4000円
主な参加企業 毎日新聞社(会長)、日本興和損保(副会長)、IHIエスキューブ(副会長)、国分(副会長)
URL http://www.tug.gr.jp/tugweb/
主な活動
システム研究会
TUG総会、シンポジウム
教育(セミナー、TUG e-Learning)
海外研修会
会報誌「TUG News」、TUGweb、メールマガジン「TUG eSpace」

会長からのメッセージ

清水 忠氏
毎日新聞社
技術本部長 兼 制作技術局長
清水 忠氏

 ITの技術革新の勢いは衰えを知らず、私たちの仕事や生活の利便性向上に役立っています。東芝ITユーザ会(TUG)は、業種業態を越えたITユーザーとITのプロである東芝ソリューションが一堂に会する場で、IT利用に関する最新の技術、知識、ノウハウが集まる場でもあります。

 異業種の会員の皆様がより多くの情報を持ち帰り、ご自身の職場で活かしていただければと考えております。TUGとしては「真に会員に役立つユーザ会」を目指しています。TUGは前進し続けます。

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