日本オラクルは2009年6月23日、将来予測を可能にする多次元データベース「Oracle Essbase(エスベース)」の提供を開始すると発表した。「Oracle Essbase」は、2007年7月に統合した旧ハイペリオン社の製品とオラクルのBI製品との連携を強化したEssbaseの最新バージョンになる。
データベースを多次元的に解析し視覚化するシステムであるOLAP(On-Line Analytical Processing:オンライン分析処理)サーバーとして、多くの企業に導入されてきたEssbaseに、今回次の新機能が追加された。
1. XOLAP(次世代型ハイブリッドOLAPモデル)を搭載
「Oracle Essbase」を代表とするM-OLAP(Multi-dimensional OLAP)サーバーではキューブと呼ばれる多次元データベースで分析を行っている。キューブには、属性項目のすべての組み合わせに対応する集計結果をあらかじめ用意しておくため、リレーショナルデータベースに直接問い合わせるより、高速かつ効率的にデータ分析できる。今回新たに搭載されたXOLAPにより、M-OLAPのメリットである高速性を維持しながら、データソースに直接検索を行うためR-OLAP(Relational On-line OLAP)のメリットであるリアルタイム性の担保が可能になった。
2.「Oracle Essbase Studio」を搭載
「Oracle Essbase Studio」は、ひとつのインターフェースでアプリケーションの構築と管理を行うためのモジュールである。本モジュールにより、「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition Plus」のデータモデルをソースとして「Oracle Essbase」のキューブを構築することが可能になるため、開発者の生産性を向上させる。
3. 64bit OSサポートの拡充
現在サポートするOSは以下のとおり。
Oracle Enterprise Linux 4.0 - 5.0.x
Windows Server 2003
Windows Server 2003, Enterprise x64 Edition
Windows Server 2003, Enterprise Edition for Itanium-based System
Red Hat Enterprise Linux 4.0.x - 5.0.x
HP-UX 11.23 PA-RISC(64-bit) (32bit Binary)
HP-UX 11.23 - 11.31x Itanium2(64-bit)
IBM AIX 5.2 ML7 - 6.1.x Power(64-bit)
Sun Solaris 9 -10 SPARC(64-bit)
「Oracle Essbase」の価格は、33万750円/Named User Plus(税込み、最少人数25名)。
なお、同社は「Oracle Essbase」を含めたオラクルのBIソリューションを説明する「オラクル・ビジネス・インテリジェンス サミット2009 Summer」を7月10日(金)に開催する。
「オラクル・ビジネス・インテリジェンス サミット2009 Summer」
http://www.oracle.co.jp/events/jpm090710/
日本オラクル
http://www.oracle.co.jp/