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日立は処理能力の保証を訴求、VM貸し出しの新機軸打ち出す日立ソフト

2009年8月5日(水)IT Leaders編集部

日立製作所は2009年6月30日、クラウド関連サービスを「Harmonious Cloud」として体系化して発表した。翌7月1日には日立ソフトウェアエンジニアリングが、顧客のデータセンターにハード/ソフトなどを一式にした仮想マシン(VM)を貸し出す「Secure Online 出前クラウドサービス」をリリース。大手ベンダーが続々と名乗りを上げる国内クラウド市場がにわかに多様化してきた。

企業がサーバーなどのプラットフォーム資源を必要に応じて柔軟に借り受けることができるクラウドコンピューティング環境。先行したのはご多分に漏れず米国だが、サービス開始表明のレベルでは国内も活況を呈してきた。NECや富士通などに続き、日立も加わったことで国内の大手ITベンダーが顔を揃えた。

Harmonious Cloud「Virtage」でリソース占有

日立が発表したHarmonious Cloudの中で、システム基盤を提供するのが「ビジネスPaaSソリューション」である。

ブレードサーバーやストレージなどのハードウェア技術、運用管理ツール「JP1」やシステム連携基盤「Cosminexus」といったソフトウェア技術、バックアップやクラスタリングの運用技術など、同社がこれまで個別領域で培ってきたノウハウを結集。横浜市のデータセンターで運用してサービスする。

独自性を打ち出すのが「リソースキャパシティ保証サービス」だ。これは、同社のサーバー仮想化技術「Virtage」が備える機能を利用し、リソースプールの中にあるプロセサやメモリーなどを物理的に占有することで処理性能を保証するもの。

これにより企業は、バッチ処理の終了予定時刻を正確に見積もったり、大量のデータ分析業務においてメモリー不足による異常終了を回避できるといったメリットを享受できる。クラウド環境では一般的に、複数のユーザーがリソースをシェアするため、あるユーザーが高負荷の処理を実行すると、他のユーザーの処理に影響を与える可能性がある。こうした問題を解決する仕組みだ。

価格は1コアのプロセサ、メモリー2GB、ディスク40GBの仮想サーバー(OSはLinux)で月額8万9000円から。「リソースキャパシティ保証サービス」は別途個別見積もりとなる。

日立は、顧客企業内にクラウド環境を置く「プライベートクラウド」の構築支援メニューも用意した。クラウドに興味を示しつつもデータを外部の業者に預けることを嫌う企業を対象にする。価格は個別見積もりだが、一定規模の初期投資が伴うのは必至だ。

出前クラウドサービスでクラウド設備を貸し出し

この点で、日立ソフトが7月1日に発表した「SecureOnline 出前クラウドサービス」は、月額料金体系でプライベートクラウド環境を提供しようという新しい試みだ。ブレードサーバーやストレージ、ネットワーク機器のほか、管理用コンソールや仮想化ソフトの設定まで完了したサーバー仮想化環境を顧客に貸し出す。設備の設置場所は顧客のデータセンター、設備の所有者は日立ソフトとなる。

価格は基本料+仮想マシン(VM)稼働数の従量課金で導入の敷居は比較的低い。最大稼働VM数の違いから3つのプランがあり、VM数が最大15となる「プチラックサービス」の場合、基本料は25万円で、VM利用料は25万〜100万円となる(ともに月額)。

日立ソフトが専用ツールを使って稼働状況を監視し、障害の予兆がある時には予防措置を講じる。一方で、顧客自身が稼働状況を監視できるソフトも提供する。

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日立製作所 / Harmonious Cloud / ベアメタル / 日立ソリューションズ / JP1 / Cosminexus

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