日本電気(NEC)は2009年7月29日、企業が保有する大量の業務データを分析し、業務プロセスの改善を支援する情報活用領域の事業強化を行うことを発表した。具体的な強化内容は、(1)迅速かつ継続的な業務プロセス改善を支援する情報活用ソリューション「Decision Navigator(デシジョン ナビゲーター)」の発売、および(2)同ソリューションを実現可能にする情報管理ソフトウェア「InfoFrame(インフォフレーム)」のラインアップ拡充の2つで、同日より提供開始する。
今回の情報活用領域の事業強化は、企業の経営状況の見える化から、プロセス改善に向けた施策立案・実行・検証までを一貫して提供するというもので、同社による概要は以下のとおり。
(1)情報活用ソリューション「Decision Navigator」の発売
戦略の共有を通じて組織全体のパフォーマンスを向上するPM(Performance Management)ソリューションと、蓄積されたデータを加工・分析して、企業の意思決定に活用するBI(Business Intelligence)ソリューションを融合し、迅速かつ継続的な業務プロセス改善を支援するソリューションを「Decision Navigator」として体系化。Decision Navigator/PMと同/BIを連携させ効果的に組み合わせることで、業務の継続的改善をもたらすPDCAサイクルの構築を可能とする。
- Decision Navigator/PM:現状プロセスの可視化から、事業戦略目標(KPI)へのブレークダウン、重点課題の解決を指針としたプロセスモデルの策定、監視ツールの適用まで、プロセス改善に向けた一連のサービスを提供。人手を介する実際の業務における最適化と、それらを運用する業務システムにおける最適化を支援し、従来困難であった業務とシステムの両面からのプロセス最適化を可能にする。
- Decision Navigator/BI:現在、自社で行われている情報分析業務に対するアセスメントや、得られた分析結果を実際の業務へフィードバックするためのコンサルティングを行う。また情報分析システムの構築も行い、要件定義・システム定義から設計・構築・運用まで一貫したSE支援サービスを提供する。
(2)情報管理ソフトウェア「InfoFrame」のラインアップ拡充
ラインアップ拡充により、データの蓄積から統合・分析にいたる各プロセスを高速化し、企業の迅速な意思決定を支援する。
- データ統合の高速化:情報統合ツールとして、新たに「InfoFrame Data Quality(インフォフレーム データ クオリティ)」を追加。同製品は、重複データの自動判別や補正処理を行う「クレンジング機能」と、属性が一致するデータを一元化する「名寄せ機能」を提供し、データの統合基準をあらかじめ設定することで、分析しやすいデータを速やかに収集可能にする。
- データ形式変換処理の高速化:高速データ処理エンジン「InfoFrame DataBooster(インフォフレーム データブースター)」とデータ統合製品「InfoFrame PowerCenter(インフォフレーム パワーセンター)」の連携を強化。システムごとに異なる書式・形式で保存されているデータを、InfoFrame PowerCenterにてデータウェアハウス(DWH)に抽出・加工・統合する際、InfoFrame DataBoosterがデータを最適化してメモリ上に展開し高速加工を行う。それにより、業務システムのデータベースからデータウェアハウス(DWH)を生成する時間が日単位から時間単位にまで短縮される。
- DWH-BI間の応答性の向上:BI製品として、「MicroStorategy 9(マイクロストラテジー ナイン)」を新たにラインアップに追加。同製品は、複雑なクエリを特定し効率的に処理を行う「動的メモリキャッシュ技術」により、クエリ時間を大幅に短縮可能となっている。
同社は今回の強化にあたり、専任のコンサルタントおよびシステム構築要員の体制を強化し、2012年度には情報活用領域において年間100億円以上の売上を目指していく。
InfoFrameに関する情報
http://www.nec.co.jp/infoframe/