パナソニック電工インフォメーションシステムズ(パナソニック電工IS)は2010年2月9日、同社大阪中央データセンターにおいて、クラウドコンピューティングによる仮想化インフラ基盤の提供サービスを2月15日から開始すると発表した。
発表によれば、自社でシステムを保有する場合、通常は万が一の災害に備えてバックアップ用にまったく同構成のシステムを別途待機させておく必要があり、莫大な初期費用とランニングコストが発生する。一方、クラウドコンピューティングを活用すると、利用料のみでインフラ基盤を使用できるという利点があるものの、逆にインフラ基盤の所在も見えなくなってしまうことから、セキュリティなどの安全面で抵抗を持つ企業も存在する。
そうした企業の課題に応えるため同社では、今回、クラウドコンピューティングによる仮想化インフラ基盤の提供サービスを開始する。同サービスの特徴は、以下のとおり。
(1)パナソニック電工向けに基幹システムのインフラ基盤を提供してきた実績による仮想化インフラ統合技術
- サービス基盤には、仮想化サーバー「Egenera BladeFrame」および仮想化ストレージ「3PAR」を使用
- 企業の基幹システムやミッションクリティカルなシステムの運用にも耐えうる品質
- 最小構成からスタートし、徐々に拡大するなど柔軟なシステム構築が可能
(2)耐震性・セキュリティを確保した大阪中央データセンターでのサービス
- クラウドコンピューティングに対する「見えない不安」を解消
- 阪神・淡路大震災の教訓を活かして建設された免震装置を備えたビル
- 最新のセキュリティ設備による安全性
(3)関西という立地条件を活かした遠隔バックアップサービスの提供も可能
- 首都圏、中京圏企業のバックアップに適した環境
- 複数の企業で待機サーバーを共有する「N+1 DRサービス」にも対応可能(待機用のEgenera BladeFrameを共有し、遠隔地にある複数のEgenera BladeFrameからのバックアップが可能となる)
同社では、以下のような顧客の活用イメージを想定している。
- SaaSによるサービスを提供する企業のインフラ基盤として(すでに第1弾として、SaaSによる基幹業務システム提供サービスを手がける大手SaaSベンダーに対し2月1日からサービスの提供を開始)
- システムの保有から利用へのシフトを図る企業のインフラ基盤として
- 首都圏・中京圏の企業に対するバックアップサービスとして
同社は今後、システム保有から利用への移行を図りたい企業のコスト負担・運用負担の軽減対策や、首都圏・中京圏企業のバックアップ拠点として同サービスを展開していく。
パナソニック電工インフォメーションシステムズ
http://panasonic-denkois.co.jp/index.html