[インタビュー]
「設備インフラのIP化でデータセンターを変える」─米Panduit幹部
2010年6月10日(木)IT Leaders編集部
「データセンター設備やビル設備などの物理インフラを、あたかもネットワーク機器やサーバー機を管理するかのように、IT(情報技術)を使って運用管理できるようにする」──。こうしたビジョンを掲げ、製品企画やコンサルティング、エコシステムの構築に注力している企業が米Panduit(パンドウィット)である。
米Panduit(パンドウィット)の主な取り扱い製品は、サーバーラック/キャビネットや、ケーブル配線設備、エアダクトなど、データセンターを支えるファシリティ(設備)製品。ITで管理可能な製品として、結線状況をSNMPで管理可能なパッチ・パネル「PanView iQ」や、運用監視/管理ソフトウェア「Physical Infrastructure Manager」(PIM)、各種センサーからの入力をPIMで管理できるようにする管理ボックスなどを提供済みである。
インプレスビジネスメディアは2010年6月9日、Interop Tokyo 2010に合わせて来日した、同社でセールス・マーケティング担当グループVPを務めるRonald K.Partridge氏(写真1)に、データ・センター設備を統合管理するビジョンの詳細と、ビジョンを実現するための具体的な施策について聞いた。
──Panduitが提唱するビジョン、UPI(Unified Physical Infrastructure)とは何か。
統合化された物理インフラ、つまり、これまでIT化されていなかったためにバラバラに管理するしかなかったデータセンターのインフラ要素を、ITを使って統合管理できるようにするビジョンだ。
データセンターや工場、ビルなどは、5つの要素で成り立っている。パワー(電力)、コミュニケーション(通信)、コンピューティング(サーバー処理)、セキュリティ(安全策)、コントロール(制御)がそれだ。
これら5つの要素は、これまでは独立していて、別々に管理するしかなかった。それぞれを監視/管理するための専用機器/装置を据え付ける必要があった。
現在では、これらの設備要素から、IPのネットワークポートを用いてデータを収集できるようになっている。これにより、各社のネットワーク管理ソフト/運用管理ソフトを使って、個々のインフラ設備の論理的な構造から物理的な設置場所まで可視化できる。運用ポリシーを設定してリモート制御することも可能だ。
──物理インフラを統合するメリットの大きさは。
まず、CapEx(設備資本コスト)が大きく下がる。ケーブル敷設コストが10%減り、スペース(空間)コストが67%減る。
OpEx(運用コスト)も減る。消費電力は年間で25%減る。保守費用は10%減る。構成変更コストは20%減る。
米Panduitの本社屋では、設備運用コストを35%削減できたほか、従業員の生産性が20%向上した。
──IT管理可能な個々の製品以外に、Panduitはユーザーにどのようなサービスを提供しているのか。
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