災害発生時に、業務やシステムへの影響をいかに抑えるか。未曾有の大災害に直面している今、事業継続管理(BCM:Business Continuity Management)の重要性が改めて見直されている。意思決定の責任の所在や内容を明確にし、確固としたガバナンス体制を構築することが不可欠だ。
※本連載はガートナーのリサーチ「Business Continuity Management Governance Defined, 2010」をもとに日本法人アナリストが一部編集し、加筆したものです。
災害発生時に、業務やシステムへの影響をいかに抑えるか。未曾有の大災害に直面している今、事業継続管理(BCM:Business Continuity MaManagement)の重要性が改めて見直されている。意思決定の責任の所在や内容を明確にし、確固としたガバナンス体制を構築することが不可欠だ。これはBCMプログラムの開始時や、既存のガバナンス体制の分析時に作成・参照する。どんな意思決定をすべきか、誰がどう意思決定すべきか、といったことを明確化することで、BCMの重要性を確認しやすくなる。
災害などのリスク発生時に、事業を可能な限り継続するための経営管理手法が事業継続管理(BCM:Business Continuity Management)。BCMを推進するうえで重要となるのが、ガバナンスの体制である。ビジネスとITの障害リスクや、それによる事業部門や企業全体への影響に対処するために継続的に利用する、意思決定の権限や責任に関するフレームワークを確立することを指す。成果物は事業継続計画(BCP)と呼ばれる。
ガートナーは、BCMのガバナンスにおいて意思決定の権限と責任の所在の明確化を唱えている。
以下に、BCMガバナンスにおいて考慮すべき主要な項目を示す。
- BCMやIT災害復旧管理によって、ビジネスをどう支えるか(BCM履行のポリシーや原則)
- 誰が、どのような意思決定をするか。その意思決定をどう履行するか
- 意思決定の履行や成立、適合を保証する方法論
- 責任と権限をどう確立し、伝達し、履行し、確認するか
ガートナーのBCMガバナンスのフレームワークでは、権限や責任を明確化すべき意思決定領域として以下の8領域を規定している。
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