「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システム/IT部門の役割となすべき課題解決に向けて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見共有を促し支援するユーザーコミュニティである。IT Leadersはその趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加している。本連載では、同倶楽部で発信しているメンバーのリレーコラムを転載してお届けしている。今回は、ADKホールディングス グループ執行役員 CIO 柴﨑貴志氏からのオピニオンである。

CIOは孤独なものですよ。だからこの会を作って横のつながりを提供しようと考えたのです──。
これはCIO賢人倶楽部の木内会長と初めてお話しした際にうかがった言葉です。CIOになって間もなかった私は、「やはりそういうものなのか」と素直に納得したのを覚えています。
それ以降、さまざまな場で情報システム部門やDX部門のリーダーを務められている方々(以下、それぞれIT部門、CIOと表記します)に接する機会に恵まれ、意見交換をしてきました。その経験からCIOは「確かに孤独だ」と考えるに至りました。なぜ、そうなのでしょうか。本コラムで考察してみたいと思います。
まず先にお断りしておきますが、経営層の積極的な支援を受けてDXやデジタル活用を積極的に進められているCIOも多く存在しています。ただ、中小企業も含めて世の中に数百万のある企業の中で、割合としては極めて少数だろうと思われ、このコラムが日々努力されているCIOの参考になれば幸いです。
孤独の原因その1:日本企業におけるIT部門の立ち位置
当たり前ですが、多くの企業は何かを仕入れたり調達したりし、それに付加価値を乗せて販売・提供することを事業とします。製造業なら資材や部品を調達して製品を製造する、流通・小売業は商品を仕入れて販売する、金融業は預金を調達して貸し出しする、といったことですね。そうした業務を担う営業や製造部門が、高度成長期以前も今日も企業の中核であり続けています。金融など一部の業種では人事や財務部門が中核かもしれません。
そういった部門に比べるとIT部門は歴史が浅く、また各部門のための業務システムを構築してきました。経営ではなく部門向けのシステム開発を手がけたので、必然的にIT部門が経営の意思決定に関わる機会は限られました。1990年代以前、まだIT部門が“電算室”と呼ばれていた頃の話です。
全社が共通で使うPCやネットワークはまだありませんでしたから、IT担当役員を置く発想が生まれないのは当然ではあります。
●Next:調査から見えてくる日本のIT部門に対する意識の低さ、CIOが直面する孤独の原因
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