住商情報システム(現SCSK)は2011年5月30日、リッチクライアント開発言語「Curl」で利用可能な業務システム向けUIコンポーネント群「Curl External Library」(CurlEXT)を、オープン・ソースとして公開した。ガント・チャートなど、13個のUI部品で構成する。同社のWebサイトからダウンロードできる。
CurlEXTは、Curl言語でリッチ・クライアント画面を開発する際に利用できる、UIコンポーネント群である。表計算やガント・チャートといった業務アプリケーション向けの画面を、Curl言語(*.curl)で書かれたライブラリとして実装している。Curlで開発したユーザー・アプリケーションにCurlEXTを組み込んで利用する。
以下の13個のUIコンポーネントを用意した。
- アニメーションを使った画面遷移
- ガントチャート
- ワークシート(表計算)
- ジオグラフィックAPI(地図情報を読み込んで表示する)
- ローディング・アニメーション(処理待ちの状態をビジュアル表示する)
- バックグラウンドタスク(マルチスレッド・プログラミングを実現)
- 計算レコードセット(グリッドに、セル間で計算する機能を付加する)
- 自動テスト・フレームワーク(GUI部品のテストを自動化する)
- ツリーグリッド(1番目のカラムにツリーを持つレコード・グリッド)
- オートコンプリート(自動補完機能)
- カスタム・タイトルバー(スキンを適用したタイトルバー)
- ポップアップ・バルーン(注釈)
- ファイル操作API(ファイル・メニューを提供する雛形となるクラス)
なお、Curlとは、Webブラウザ上でリッチ・クライアントを実現する言語処理系である。Curl言語で記述したクライアント・アプリケーション(テキスト・ファイル)を、Webブラウザ上で動作するランタイム環境の上でコンパイル/実行する仕組み。Curlを開発した米Curlは、住商情報システムの子会社となっている。
Curl言語処理系を用いて業務システムを運用する際のライセンス価格は、以下の通り。統合開発環境(テキストとビジュアル開発の2-Way開発が可能)が、5万9800円。本番稼働時のサーバー・ライセンスが150万円からなど。
写真1:Curl External Libraryで提供するUIの1つ「ガントチャート」の画面