[新製品・サービス]
日本マイクロソフト、Hyper-Vの強化など仮想環境に最適化したWindows Server 2012を提供、ほか
2012年10月9日(火)IT Leaders編集部
日本マイクロソフトは2012年9月5日、サーバーOS「Microsoft Windows Server 2012」の提供を開始した。日本IBMは2012年8月29日、メインフレーム「IBM zEnterprise EC12(zEC12)」を発表した。NECは2012年8月30日、中規模のプライベートクラウド用途を想定したIT基盤「Cloud Platform Suite(CPS)」シリーズの新製品を発表した。NCLコミュニケーションは2012年8月28日、NTTデータとの提携開始を発表した。新日鉄ソリューションズは2012年8月29日、基幹システムのバッチ処理を高速化するソリューションを提供開始した。
ヴイエムウェア
vSphere新版は、VM性能と継続運用の機能を強化
ヴイエムウェアは2012年8月28日、ハイパーバイザの新版「VMware vSphere 5.1」を発表した。
仮想マシンに割り当てるコンピュータリソースを増やした。1つの仮想マシンあたりの仮想プロセサ数を最大64に、仮想メモリーの容量を最大1TBに拡張。高負荷な業務システムを稼働する場合でも、安定した性能を発揮できるようにした。
災害対策向けの機能も拡充した。例えばデータのバックアップとリカバリを実施する「vSphere Data Protection」の場合、バックアップの実施間隔などを指定することで運用を自動化できる。保存するデータに対して重複排除を実施し、バックアップデータ量の削減も図る。災害などの理由から保護対象となる仮想マシンを検出して複製する機能も装備。迅速にシステムを復旧できるようにする。
そのほか、クラウドの活用により仮想マシンへのウイルス対策用エージェント(プログラム)のインストールを不要にする「vShield Endpoint」なども用意する。価格は1プロセサあたり1万円から。 (折川)
みずほ情報総研
クラウドとテンプレート活用でSAP ERPを短期導入可能に
みずほ情報総研は2012年9月3日、「金融機関向け会計ソリューション for クラウド」を発表した。銀行経理業務向けのシステムをクラウド経由で提供し、導入コストの削減や導入期間の短期化を図る。
すでに同社が提供済みの「金融業向け会計テンプレート for SAP ERP」に改良を加えてクラウド化した。これは、金融機関の業務向けにパラメータなどを事前に設定するほか、各種決算書を作成する機能などを装備したもの。クラウドから提供することで、導入期間をこれまでの半分となる3〜4カ月に短縮できるという。
BIツール「SAP NetWeaver Busi-ness Warehouse」のメニューも用意。大量データの中からレポート作成に必要な情報だけ探し出せるようにした。ユーザーが独自の視点で財務データを分析することも可能だ。国際会計基準(IFRS)向けに複数元帳を管理する機能も追加した。
複数のデータセンターを利用することで業務を継続できる体制も整える。初年度に7行、6年間で75行への導入を目指す。 (折川)
富士通研究所
スマートフォンのBYODを安全に進めるための技術群を発表
富士通研究所は2012年8月31日、従業員が私有するスマートフォンを業務利用する際、セキュリティを確保する技術を発表した。2012年度中の実用化を目指し、パッケージ化を進める。
今回、発表した技術は3つある。1つめは、コンテキストデスクトップ技術。端末が置かれた環境に応じて、スマートフォンのデスクトップ画面を自動的に切り替える。オフィス内では業務アプリを並べた画面を表示し、外出するとプライベート用画面に切り替えるといったイメージである。業務アプリにアクセスできるシチュエーションを制限することで、情報漏洩のリスクを軽減する。画面を切り替えるトリガーには、端末の位置や電波の受信状況など、様々な情報を利用できる。
2つめは、セキュア実行環境技術。業務アプリを端末に配信する際、データを暗号化し、不正アプリなどに情報を盗み取られないようにする。アプリは専用の実行環境でのみ稼働する。
3つめは、シームレスプッシュ技術。社外にある端末にVPN接続を要求する。セキュリティを確保しつつ、アプリなどをプッシュ配信できる。 (緒方)
CA Technologies
登録から反映まで、ID管理作業を簡便にしたソフト
CA Technologiesは2012年8月27日、複数システムのユーザーアカウントを一元管理する統合ID管理ソフトの新版を発表した。管理対象となるユーザーの登録・変更と、それに付随する各種システムへのユーザー登録・変更など、一連の管理プロセスを自動することで、煩雑になりがちなID管理作業の簡便性を高めた。
発表したのは「CA IdentityMinder r12.6」。新版ではユーザーアカウントを作成する際、ローマ字表記の氏名などの属性情報に基づいて当該ユーザーのメールアドレスを自動生成する機能を備えた。アカウントを関連システムに反映するだけでなく、属性によっては特定のシステムにアカウントを作成しないといった処理も可能。このようにアカウント作成に伴って発生する関連システムへのユーザー登録処理などのポリシーを、「Policy Express」「Config Express」と呼ぶWebのGUI画面の操作で定義できる。コーディングの必要はない。
さらに、米セールスフォース・ドットコムや米グーグルのクラウドサービス用のコネクタを標準で用意。これらクラウドサービスを含む複数システムの統合ID管理の仕組みを短期間で構築・導入できるようにした。
参考価格は1000ユーザーで576万円(税別)から。(栗原)
ディアイティ
暗号化通信を復号して管理者の挙動を把握
ディアイティは2012年8月31日、システム管理者の特権アクセスを監視するソフト「CryptoAuditor」を発表した。管理者の行動を把握し、内部からの情報漏えいを防止する。
CryptoAuditorはネットワーク上の通信情報を取得するパケットキャプチャソフトである。SSHやRDP、SFTPといった暗号化したプロトコルをほぼリアルタイムに復号する点が特徴だ。管理者がキーをどう入力したのか、データをどこに転送したのかといった行動を把握し、怪しい挙動をリアルタイムに検知して通知できる。これらプロトコルを用いた通信では通常、ログを取得しても暗号化していることから行動の把握は難しかった。CryptoAuditorの場合、ログを収集するためのエージェント(プログラム)をサーバーにインストールする必要がなく、短期導入も見込めるという。
取得したログは暗号化して保存。管理者であってもアクセスできないようにし、履歴の改ざんを防ぐ。ただし監査時の証拠を探しやすくするため、ログを検索する機能を装備する。そのほか、取得したログをもとに、監査時に用いるレポートを作成したり、一連の操作内容を動画を使って確認したりする機能も備える。価格(税別)は監視対象となるサーバーが10台の場合で248万円から。 (折川)