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2012年10月9日(火)IT Leaders編集部

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日本IBM
プロセサ刷新で性能を強化したメインフレーム

写真　IBM zEnterprise EC12

日本IBMは2012年8月29日、メインフレーム「IBM zEnterprise EC12（zEC12）」を発表した。2010年7月に発表した「z196」の後継機で、プロセサの刷新などにより性能を向上したほか、システムの異常を自動検知する機能などを追加した。

プロセサの動作周波数を従来の5.5GHzから5.7GHzにし、1秒間あたりの命令処理数を520億回から780億回に引き上げた。プロセサあたりのコア数は4から6となり、最大で120コアを搭載する。「プロセサの動作周波数は5.5GHzですでに十分という意見がある。しかしバッチ処理を高速化したいというニーズは多く、こうした用途ではコア数を増やすことによる同時タスク処理数より、動作周波数を引き上げて1つのタスクを速く処理することの方が高い効果が見込める」（システム製品事業 System z事業部 エバンジェリスト 北沢強氏）。

同時に複数のトランザクションが発生した際の性能低下を回避する機能や、フラッシュメモリーをキャッシュとして利用することでI/O処理性能を高める機能も追加。これら強化により、きょう体あたりの性能は従来機に比べて50%向上した。

システムの異常を検知する機能も備える。システムの稼働状況などを監視するソフト「IBM ｚAware」をオプションで用意。過去90日分のログを蓄積し、性能劣化を引き起こす予兆を検知して管理者に通知できるようにした。

なお、zEC12は従来同様にAIXやWindows、Linuxを搭載する「IBM zEnterprise BladeCenter Extention」を4台まで接続できる。メインフレームとUNIXサーバー、x86サーバーを単一システムとして管理でき、異機種が混在する仮想マシンを最大10万台まで作成/運用することが可能だ。最小構成価格はz196と同じ1億円から。

（折川）

NEC
仮想マシン100台規模を想定した中規模クラウドアプライアンス

写真　NECの中規模向けクラウドアプライアンス「Cloud Platform SuiteスタンダードパッケージR2」

NECは2012年8月30日、中規模のプライベートクラウド用途を想定したIT基盤「Cloud Platform Suite（CPS）」シリーズの新製品を発表した。サーバーやストレージ、仮想化ソフトなどクラウド基盤の構築に必要なハードウェアとソフトウェアを、事前に設計/動作検証したうえでラックに実装した。社内システムのサーバー統合や、システムの処理量に合わせてコンピュータの資源を柔軟に増減可能なプラットフォームを短期間で構築できる。

新製品の名称は「CPSスタンダードパッケージR2」。仮想マシン100台程度で構成する中規模のクラウド基盤に適したハードやソフトを組み合わせた。サーバーはXeon E5-2670プロセサを2個と64GBのメモリーを備えるブレード「Express5800/B120」、ストレージは226.5TBまでディスク装置を搭載可能な「iStorage M300」、仮想化ソフトは米ヴイエムウェアの「WMware vSphere 5 Standard」を用いる。リソースの管理にはNEC製の運用管理ソフト「WebSAM SigmaSystemCenter」を使う。

仮想マシンの追加・変更を容易にするため、プロセサのコア数やメモリー容量をパターン化した仮想マシンの構成テンプレートを用意した。リソース監視の項目や障害対応の操作フローをまとめた運用ガイドラインも併せて提供する。

価格は2900万円（税別）から。NECは7月に発売した大規模向け製品「CPSエンタープライズパッケージR2」と合わせ、今後2年間で200セットの販売を見込む。 （栗原）