世界中で最も利用されているクラウド・アプリの1つである「Evernote」。3月初めにサイバー攻撃を受け、米Evernoteが5000万人を超えるすべての利用者(日本のユーザーは500万人)に、パスワードの再設定とソフトのアップデートを呼びかける事態が発生した。ユーザー名やメールアドレス、パスワードが盗まれた可能性があるからだ。厳重な対策をしているはずだが、セキュリティに100%はないことを改めて示した格好である。
もちろん、「だからクラウドサービスを利用すべきではない」と言いたいわけではない。ユーザーは自衛する必要があり、パスワード管理にもっと気を配るべきと思うのだ。例えば米国で昨年、iPhoneの利用者が設定しているパスコードの推計が公表された。トップ5は1234、0000、2580、1111、5555。iPhoneにログインするためのコードであり、一般のパスワードと同列には扱えないが、「忘れないように」「できるだけシンプルに」といった傾向を示している。複数のサービスで同じパスワードを使う問題もあるかも知れない。自戒を込めて。
「2011年末、世界64カ国における1700人以上のCMO(マーケティング責任者)を調査した。その結果、CMOの課題はデータ爆発やソーシャル、モバイルデバイスなどテクノロジへの対応であり、それはCIOの課題認識と一致することが明らかになった。しかし企業のマーケティング部門とIT部門は、うまく連携していない。だからこそ今日、皆さんにお越し頂いた。(CMOとCIOがともに参加するイベントは)初めてのことだと思う」。日本IBMのマーチン・イエッター社長は3月初旬、約100社の企業のCMOとCIOをペアで招いたフォーラムの冒頭で、こう語った。
フォーラムの名称は「THINK MARKETING─CMO+CIO Leader-ship Forum」。CMOとCIOが協調しながらITを活用し、経営や事業に貢献することを目指そうというフォーラムの主旨は、まさしくその通りと思う。だが、少し違和感もあった。「マーケティング部門とIT部門は、うまく連携していない」という点である。
筆者が知るCIOは、おしなべて事業に強い関心と責任意識を持っており、CMO(日本では主に営業部門の責任者)とも良好な関係であるように思えるのだ。そのような見方は間違いなのか、もしCMOとCIOの関係が良くないとすれば、それはなぜなのか。読者のご意見をいただければ有り難い。
会員登録(無料)が必要です
- 2014年、流行りそうな言葉「モビリティ」〜「モバイル」と似て非なる理由(2013/12/17)
- ネット上の個人データを収集する「PRISM」の脅威(2013/07/05)
- マイナンバーで世界最先端に!(2013/06/17)
- 日本的なこだわり、もてなしを考える(2013/05/28)
- ダイバーシティとBYODの関係(2013/03/27)