衛星通信や携帯電話を含めた世界中の通信、そして電子メールやファクシミリなどを傍受し、解析する軍事目的のシステム「Echelon」。6月初め、それに匹敵する別のシステムの存在が明らかになった。
「PRISM」と呼ばれるそのシステムは、メールやチャット、SNS、写真や動画などネット上の個人データを収集する。英ガーディアンや米ワシントンポストが存在を報じ、米国政府が公式に認めた。2007年9月から運用されてきたとされる。
米国政府が単独で、これらの情報を集められるわけではない。協力企業が必要だ。PRISMを運用する米NSA(国家安全保障局)による極秘の要請を受けて協力したのは、協力時期が古い順にMicorosoft、Yahoo、Google、Facebook、Paltalk、YouTube、Skype、AOL、Appleの9社である(AmazonやTwitterは入っていない)。
目的はテロ対策。オバマ米大統領は「PRISMは米国外居住の外国人が対象。テロ防止に役立った」と語り、ボストン・マラソン事件もあって「テロ対策の方がプライバシー保護より重要」とする意見が多数を占める世論調査がある。一方で「プライバシー侵害」を指摘する声も多く、米国における意見は割れている。EUなども非難の声明を出している。
極秘だった存在が表沙汰になり、内外から強い非難を浴びようとも、PRISMの運用が停止されることは考えられない。仮にPRISMがなくなっても、別のシステムが動き出すだろう。ごく普通の個人にはあまり関係ない話とも言えるが、企業や行政機関は常に意識しなければならないだろう。
ごく普通の個人がセキュリティ面で最も注意すべきは、やはりパスワードだ。SNSのようなサービスのログイン認証で使われるIDとパスワードのうち、IDはメールアドレスを使うケースが多い。万一、パスワードを窃取されれば、あっさりとそのサービスを乗っ取られてしまう。複数のサービスで同じパスワードを使っていると、リスクは飛躍的に大きくなる。
少し前の本欄で書いたように、「11111111」とか「12345678」といったパスワードを使っている人は論外としても、ソーシャルメディア上にはパスワードを推測するヒントが転がっている。生年月日、生まれ故郷、好きな車、よく行くレストランなどだ。これらの情報を直接、パスワードにしていなくても、パスワード再設定時によく利用される「秘密の質問」の回答にこれらを使うと危ない。逆に言えば、SNSなどに投稿する情報の内容、公開するプロフィールなどに注意が必要である。
富士通が開発したスーパーコンピュータ「京」。その100倍の性能を持つ次世代機の開発計画が動き出している。100京=10の18乗=エクサなので、エクサ級と呼ばれる次世代機は2020年に稼働を予定し、開発費は総額1100億円。金額の大きさはさておき、そもそも「京の次世代機だから100倍の性能」といった単線型の発想でいいのだろうか。
というのも少し前、本誌Webサイトに「米Googleが購入した「量子コンピュータ」とは?」という記事を書いた。カナダD-Wave Systemsが開発した商用機を、米Googleなどが導入するという内容である。この記事を読んだ東京工業大学の西森秀稔教授から、次のような内容のメールを頂いたからだ。
「D-Waveのマシンが採用している計算原理『量子アニーリング』は、実は私の研究室で1998年に開発したものです。実機が市販されるようになったのは隔世の感です。ここ数年、同社は学問的な観点からも地に足のついた研究を次々に発表するようになり、これは本物かもしれないという印象を次第に強くしています」。
量子コンピュータは日本でも研究されているが、商用化はもとより実用化されたという話を聞かない。ところがカナダの企業がすでに商用化し、しかもその基本原理は日本の研究者が創ったのものだったのだ。言うまでもなく、同じ「コンピュータ」でも原理が全く違う量子コンピュータを開発するには莫大な費用が必要で、リスクも大きいはず。だからこそ、国家プロジェクトで取り組むべきではと考える。
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