[技術解説]
【ベンダープレゼンテーション】SAS Institute Japanのビッグデータ活用支援策
2013年12月18日(水)北川 裕康(SAS Institute Japan)
企業がビッグデータ活用を促進するには、ベンダーが提供する支援策などを利用するのが一案だ。ではベンダー各社は、具体的にどのような支援策を用意し、企業のビッグデータ活用を後押しするのか。今回、主要ベンダー7社の担当者に自社の取り組みを解説してもらった。ここではSAS Institute Japanの取り組みを紹介する。(編集部)
コンサルティング─アナリティクスを基点に環境整備を支援
SAS Instituteは1976年の設立以降、統計解析や予測型のアナリティクスを中核にデータ活用を推進してきた。ビッグデータの活用ニーズに対し、適切なアナリティクスを使って解決できる点を強みとする。経験豊富なコンサルタントと、世界中から集めた実績をベストプラクティスとして用意することで、適切な導入プロセス、必要なシステムを提起できるようにしている。
メニュー化したコンサルティング・サービスを用意する。アナリティクスを使ってビッグデータを活用するための導入ステップに位置づけられる。
・4ステップ アナリティクス導入支援サービス
アナリティクス導入を検討する企業に対し、保有データに基づいたアセスメント、ROIの算出、活用までの戦略立案などを支援する。初期投資を抑えつつ、短期間でアナリティクス環境を準備できるようにする。
・アナリティクス アセスメント ワークショップ
ビジネス課題やIT、データ、アナリティクスのアーキテクチャなどの取り組むべき課題を優先順位をつけて整理する。これらの必要性を理解するセッションを用意する。
・データマイニング クイックスタートサービス
データマイニング製品「SAS Enterprise Miner」の導入と活用を支援するサービス。意思決定のプロセスを高度化したり、新規顧客獲得のためのターゲティング、金融機関向けに不正利用を検知したりするツールを短期導入できる。
製品/サービス─インメモリーと分散処理技術を活用
当社は2011年、ビッグデータを分析する「High Performance Analytics戦略」を打ち出した。これに伴い、アナリティクスを使ってビッグデータから価値を引き出すための製品群を整備/拡充している。
High Performance Analytics戦略を支える製品群は、3つの階層に分かれる(図1)。
「データ・マネジメント」はビッグデータを管理するための製品で構成する。各種データソースへのアクセスや、マスターデータ管理、データ統合などの役割を担うツールを揃える。
アナリティクスにおいては、データの品質が分析結果の精度に大きく左右する。ゆえに当社では、データ・マネジメントの重要性を顧客に訴求している。大量かつ高頻度で生成されるデータを効率よく管理/収集するための製品群の強化を進めている。
「High-Performance Analytics(HPA)」はアナリティクスのカギを握る処理エンジン。「In-Database Analytics」、「In-Memory Analytics」、「Grid Computing」がある。
In-Database Analyticsは、複数の並列機を用いるアプライアンスサーバーやOracle Databaseなどにおいて、SASのモジュールを直接実行することで分析処理を高速化する。データベース管理システムに処理を任せる拡張ストアドプロシージャと同じ役割を担う。
In-Memory Analyticsは、インメモリー技術を活用することで処理を高速化する。複数のサーバーに処理を分散する技術も組み合わせられる。
Grid Computingは、複数の汎用サーバーを使って分析を並列処理する。
分析するデータの規模や分析頻度、準備可能なハードウェア環境などに応じて、これら3つを使い分ける。
「High Performance Solutions」は、特定の業種や用途を想定したアプリケーション群で構成する。例えば金融リスクを管理する「SAS High-Performance Risk Management」、大量のSKU(最小管理単位)を使って流通価格を最適化する「SAS High-Performance Markdown Optimization」などがある。
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【ベンダープレゼンテーション】SAS Institute Japanのビッグデータ活用支援策企業がビッグデータ活用を促進するには、ベンダーが提供する支援策などを利用するのが一案だ。ではベンダー各社は、具体的にどのような支援策を用意し、企業のビッグデータ活用を後押しするのか。今回、主要ベンダー7社の担当者に自社の取り組みを解説してもらった。ここではSAS Institute Japanの取り組みを紹介する。(編集部)