日本HPが2014年1月21日に明らかにした。
ITインフラ効率化の一環で、Webサービスのインフラを、同社の高集積サーバー「HP Moonshot System」に置き換えた。対象は、HPに関する情報を検索する際にアクセスするWebサイト「www.hp.com」と、ソフトウェアの更新プログラムやドライバーを提供するFTPサイト「ftp.hp.com」。両サイトは、HPが運営する2000ドメインに対するトラフィックの約95%を占める。
ユーザーからのリクエストを処理するほか、バックエンドサーバーから取得したデータをキャッシュしたり、ファイルを配信したりするために、HP MoonShotを用いた。既存サーバーと置き換えることで、6つのデータセンターからサーバーラックを3台ずつ削減した。消費電力も89%減らした。同社は、今後もMoonshotの利用を拡大する予定。
新しいタイプのサーバーならではの課題もあったようだ。プロジェクトを担当したVolker Otto氏は、「インフラストラクチャサイドでは、ラックやネットワークのセットアップからシステム管理に至るまで新しい実装が必要」と指摘。一般的なサーバーとは異なった知識が求められると示唆している。
Moonshotは、2013年4月に同社が発表した。4.3Uのシャーシに45台、1ラックで最大で1800台のサーバーを収容できる。サーバーの基盤に工夫を施すほか、モバイルデバイス向けチップを採用して、消費電力の削減と高密度化を図っている(参考記事:極小サーバーをぎっしり詰め込み 用途特化で“非仮想化”の強みを訴求)。