[事例ニュース]

三菱総研DCS、メインフレームのバックアップ基盤を刷新

2014年2月5日(水)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)

金融機関向けにITシステムのコンサルティングや、設計・開発サービスを提供する三菱総研DCS。メインフレームのバッチ処理を高速化するため、このほど仮想テープ装置(VTL)をリプレース、データ保存容量を拡張した。バッチ処理の所要時間を最大で60%程度短縮したという。日本オラクルが2014年2月5日に発表した。

 三菱総研DCSは、メインフレームのバッチ処理を高速化するため、2005年より仮想テープ装置(VTL)を運用してきた。ランダムアクセス性能に優れるVTLに、バッチ処理の対象となるデータを保管、物理テープへのアクセス回数を減らし、所要時間を短縮するというものだ。

 しかし、ここ数年は、データ量が増加。バッチ処理に必要なデータをVTL上に収めることも難しくなっていた。データによっては、VTLに1日しか滞在せず、物理テープに移動する場合もあった。物理テープからデータを読み込む回数が増え、処理時間も長期化していた。

 こうした状況を改善すべく、VTLのリプレースに踏み切った。ディスク容量の大きなVTLに、拡張モジュールを追加し、18.25TBを確保。VTL上に約5日間分のデータを保存できるようにした。ホストコンピュータとVTLをファイバーチャネルで接続し、データの転送速度も高めた。

 リプレースの結果、物理テープからデータを読み出す回数が減少、テープからの読み出しに掛かる時間も80%程度短縮した。バッチ処理全体の所要時間も短縮した。VTLへのアクセス頻度が高いバッチの場合、処理時間を約60%削減するケースもあったという。

 今後、災害対策にもVTLを活用する。遠隔地のデータセンターに同一VTLを配置し、筐体間データ・コピー機能を使って、本番サイトのデータをバックアップする。

 バックアップ基盤の刷新には、オラクルの仮想テープストレージ「StorageTek Virtual Storage Manager System 5」と、ディスク容量の拡張モジュール「StorageTek Virtual Library Extension」を導入した。従来もオラクルのVTLを使用していたため、移行が容易だと判断した。

表:プロジェクトの概要
ユーザー名 三菱総研DCS
業種 情報通信業
導入システム 仮想テープ装置
導入目的 メインフレームのバッチ処理高速化
導入時期 2013年夏
主な利用製品

日本オラクル
「StorageTek Virtual Storage Manager System 5」
「StorageTek Virtual Library Extension」

 

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三菱総研DCS / BCP/DR / テープストレージ

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