北海道大学の情報基盤センターが進める「アカデミッククラウド」の研究において、SDS(Software Defined Storage)の有用性が検証された。共同で実施したクリエーションラインが2014年2月5日に発表した。
北大の「アカデミッククラウド」は、情報基盤センターデジタルコンテンツ研究部門の棟朝 雅晴 教授が研究するITインフラ環境である。研究者など全国の大学関係者が“いつでも、どこでも”利用できるクラウドの実現が目標で、種々の先端技術を検証している。SDS(Software Defined Storage:ソフトウェアディファインドストレージ)の検証もこの一環だ。
検証したSDSは、クラウドのインテグレーションなどを手がけるクリエーションラインが開発する「Amage(アマージ)」。複数のIAサーバーが持つディスク領域を1つのストレージとして運用できる分散ファイル・システム(スケールアウト型NAS)である。
Amageはソフトウェア型のため、既存のハードウェアのほか、クラウド上のインスタンスにインストールできる。サービスを停止せずに容量を追加したり、障害発生時にも稼働を継続しながら保守したりが可能になる。
今回の検証では、データの損失は発生せず、仮想環境上で十分な性能を確保できたとする。クラウド基盤上に物理的なストレージを準備しなくても、各インスタンスにあるデータを統合的に管理し、高い可用性を持つストレージ環境を実現できることが確認できたという。
製品版のAmageの価格は、1Uタイプ3台セットが198万円(税抜き)、Towerタイプ3台セットが130万円(同)。いずれも実効容量は1TB、iSCSIとNFS、CIFS/SMBの各プロトコルに対応している。