信州大学(本部:長野県松本市)は、ナノテクノロジーを用いた造水・水循環システムの実現に向けた研究・開発に、富士通製スーパーコンピュータを活用することを決めた。2014年2月13日、富士通が発表した。新システムの稼働予定は2014年7月である。
近年、世界人口の増加に伴って生活用水や工業用水、農業用水の確保が重要な課題となりつつある。信州大学はこれを解決する革新技術として、ナノカーボンに注目。研究開発構想を推進している。
ナノカーボンとはその名の通り、直径がナノメートル単位の炭素粒子で構成される物質。海水や油を含む水から異物を濾過する働きを期待できる。ナノカーボンを用いた膜を実用化できれば、海から水資源を得たり、廃水を再資源化するといったことが可能になる。ただし、ナノカーボン膜の開発には複雑な解析やシミュレーションが不可欠だ。そのために求められる演算処理は膨大であり、従来の技術では事実上、不可能だった。
そこで今回、信州大学はスーパーコンピュータシステムの導入に踏み切った。新システムは富士通の「PRIMEHPC FX10」1台とPCサーバー「PRIMERGY RX200 S8」16台で構成する。PRIMEHPC FX10の理論演算性能は6.758TFLOPS(テラフロップス)。
プロジェクトの概要
ユーザー名 | 信州大学 |
業種 | 学校法人 |
導入システム | スーパーコンピュータシステム |
導入目的 | ナノカーボンによる造水・水循環システムの実現に向けた研究開発 |
導入時期 | 2014年7月 |
主な利用製品 | 「PRIMEHPC FX10」、「PRIMERGY RX200 S8」(ともに富士通製) |