ECM(Enterprise Contents Management:統合文書管理)ツール大手の加OpenTextが、「EIM(Enterprise Information Management:統合情報管理)」を掲げ、製品のカバー範囲を広げている。2013年も、8月にBPM(Business Process Management)ツールベンダーの蘭Cordysを、11月にはEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)大手の米GXSをそれぞれ買収した。EIMが目指すところや、これら買収の意味などについて、加本社のCEO(Chief ExecutiveExecutive Officer:最高経営責任者)兼社長のマーク・バレンシア氏に聞いた。(聞き手は志度 昌宏=ITLeades編集部)

――ECM(Enterprise Contents Management:統合文書管理)からEIM(Enterprise Information Management:統合情報管理)へとメッセージを変えている。その違いは何か。
EIMは、2020年の企業情報システムのあり方に焦点を当てた考え方である。2020年までには、すべての情報がデジタル化されると同時に、利用者もインターネットやスマートフォンが当たり前のデジタル世代に変わっていく。このデジタル化によって、組織のあり方も変化しなければならない。その時の組織を支える基盤になるのがEIMだ。
過去20年間、企業のCIO(Chief information Officer:最高情報責任者)は、ERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務)システムに多大な投資をしてきた。だが、ERPがもたらす価値は枯渇している。限られた価値を絞り出すためにインメモリーデータベースといった高速処理技術を投入しているのが実状だろう。
既存システムは企業データの20%しか扱っていない
なぜ価値が枯渇するかと言えば、ERPが扱ってきたのは、構造化されたトランザクションデータであり、それは、我々の周囲にあるデータの20%にしか過ぎないからだ。残り80%の非構造化データを企業情報システムに取り込み、活用する必要がある。それを可能にするのがEIMになる。
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