[シリコンバレー最前線]

市民発明家を育むオープン工作室、「Square」や「Oru Kayak」などが誕生

2014年5月14日(水)山谷 正己(米Just Skill 社長)

次世代の産業革命を担う人々が通い詰めている場所として今、シリコンバレーで話題になっている場所がある。「TechShop」と呼ぶ、一般人のための工作・工芸室だ。SquareやVikiといった新サービスの創業者たちもTechShopに通い詰めていた。

 サンノゼ市にある「TechShop」は、床面積1600平方メートルの平屋建て。広い空間に、レーザー切断機や、3Dプリンタ、旋盤機、溶接機、ミシンといった各種工作機から、各種の針金や蝶番などの部品、プラスチック板や鋼板などあらゆる素材が配備されている(写真1)。

写真1:サンノゼ市になるTechShopの外観(左上)と受付(右上)。店内には多数の工作機械や素材が配置されている(下)
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 月額125ドル(1年分前納の場合は1195ドル)を払って会員になれば、これらの設備を自由に使える。追加料金ではあるが、各種工作機やCADツールなどの使い方の訓練コースも受講できる。TechShopは、祭日以外の午前9時から深夜0時まで開いている。市民発明家は、アイディが湧いてくれば、ここへやって来て開発作業に打ち込める。

写真2:スマートフォンでの決済を可能にするSquare
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 TechShopが注目されている要因の1つが、最近も話題の「Sqaure」などの創業者たちが、ここでプロトタイプなどを開発していたからである。Squareは、一般のスマートフォンに2センチ四方の正方形(square)の読み取り器を装着するだけでカード決済ができるサービス(写真2)。日本でも2013年から普及し始めている。この読み取り器がTechShop生まれというわけだ。

 元々はガラス細工アーティストだったジム・マッケルビー氏が、自身の作品を売る際に「簡単にカード決済がしたい」というニーズから開発したという。一般に商店などで使われているカード決済用の端末は、クレジットカード会社のセンターと電話回線で結んだり、操作が複雑だったりするほか、端末自体が高価である。

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