「ビッグデータを活用して企業価値を高めよう」という大きなトレンドの中で、適切な投資を行いつつ、その取り組みを成功させるための最適解が模索されている。そうした課題に対して、日本オラクルの谷川氏は、成功事例を交えながらオラクルが提示するビッグデータ活用のための最善手について解説した。
「どうすればウマくいく?」ビッグデータやクラウド、モバイルへの斬新な取り組み。その前に確実にできること、すべきこと
ビッグデータの活用に向けたデータ基盤の統合や連携に際して、様々な手法やテクノロジーが登場している。だが、いざデータ統合を実現する具体的なシステムインテグレーションを行っていくにあたり、「何をしたらいいのか、何をすべきなのか、実際に成果が出ているのか」といった声は少なくない。
対して、日本オラクルの谷川氏は、「先進的な企業はデータインテグレーションに着目、その改善を図るとともに、既存のデータ/システム資産を活用することで、短期間で成果を上げている」と訴えかける。「ETL(Extract:抽出/Transform:変換/Load:ロード)」といった従来型のデータインテグレーションの仕組みから脱却し、新しいテクノロジーを利用することで、既存環境への影響を最小限に留めながらデータの活用、ひいてはビッグデータへの取り組みに向けた準備に成功しているのだという。
そこで鍵となるテクノロジーが「リアルタイムなデータ複製/同期技術」、「高速で効率的なデータ変換技術」である、と谷川氏は強調する。そして、これらの活用によるデータ統合を実現するオラクルのソリューションが「Oracle GoldenGate」、「Oracle Data Integration」だ。
データのリアルタイムレプリケーションと高速変換が鍵
Oracle GoldenGateは、複数のデータベース間におけるデータ・レプリケーションを実現するツールである。データベース間のレプリケーションを行う際、送信側のデータベースの差分ログを「Trailファイル」という汎用的なフォーマットに変換して、レプリケーション先に送信。受信側のOracle GoldenGateは、送られてきたTrailデータの内容を変換し、ターゲットとなるデータベースに反映する。谷川氏は、「送信側でトランザクションの変更が発生し、それが受信側のデータベースに反映されるまでにかかる時間は最短ミリ秒単位」と、その高速性をアピールする。また、Trailファイルの利用により、Oracle Database間だけでなく、異なるデータベース製品間でのレプリケーションも可能だという。
一方、Oracle Data Integrationは、高速なデータ変換に対応したツールである。谷川氏は、「Oracle Data Integrationと従来型のETLとの違いは、『E-LT』というアーキテクチャを採用している点にある。具体的には、ターゲットとなるデータベース側でデータの抽出とロードを行い、そのうえでデータベースのエンジンを使って変換処理を高速に実行する。これにより、従来のETLで用いられていた中間サーバが不要となる」と説明する。
谷川氏は、これらのソリューションを活用した国内外企業の事例を紹介。異種データベースをリアルタイム統合して情報基盤を構築、データの変更からフロントシステム側で参照できるようになるまでの時間をわずか9秒に短縮化した米大手金融機関や、Oracle Data IntegrationとOracle Exadataの複合ソリューションにより高性能データウェアハウスを構築、これまで27~29日かかっていたデータマイニングの準備期間を2~3日に短縮したトルコの通信事業者など、グローバルで多くの成功事例が寄せられていること、すでに6000社以上に導入実績を有していることを訴えた。
講演の最後に谷川氏は、「既存の資産を活かしつつ、データを高速に処理する仕組みを導入することで、時間を大幅に短縮し、その時間をビジネス価値へと変えていくことができる。結果、業務部門と対等に渡り合える情報システム部門を実現できるようになる」と述べ、講演を締め括った。
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