[CIOのための「IT未来予測」将来を見据え、目前のITを評価せよ]

【第7回】ビッグデータは既存社会をも変えていく

2014年5月19日(月)大和 敏彦

複数のデータセンター全体の仮想化が実現されれば、よりダイナミックにコンピュータ資源を利用できるインフラが整うことになる。その先に待っているのが、前回紹介したIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の世界だ。IoTのビジネス成果は、ビッグデータと関係するものが多い。そもそもビッグデータとは何なのか。そのインパクトは新しい社会の創出だけには留まらない。

 第4回で紹介したように、ビッグデータの波は、インターネットやクラウドというインフラの進化に支えられている。そして、その波は、Webやソーシャル、モバイルの波に続く大きな変化を引き起こし始めている。すでに米国では、ビッグデータ関連と呼ばれるベンチャー企業が1000社以上誕生し、IPO(株式の初公開)を実現した企業も登場している。

 例えば、2014年4月にNASDAQに上場した米Rubicon Projectは、クラウドとビッグデータのテクノロジーを基に、広告の売り手と買い手の間の「交換所」となるビジネスモデルを実現した。上場時の株価時価総額は7億ドル(約700億円)を達成している。

 データ収集の分野では、米Splunkが、米調査会社のガートナーによるマジック・クアドラントで、2013年の「リーダー」に選出された。Splunkは、ITシステムおよびインフラで生成された、すべてのデータを収集し、インデックス化することで検索・分析・可視化を可能にするソリューションを提供する。現在は、セキュリティ分野からビジネスを広げている。

センサーからアプリまでイノベーションの範囲が広い

 ビッグデータによるイノベーションは、データを中心に幅広い分野が対象になる。解析とその応用だけでなく、センサーを含むデータの収集や、解析のためのプラットフォーム、マーケティング、ITマネジメントやCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)などのアプリケーションや新ビジネスなどだ。

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