アプリケーション開発環境などを開発・提供する米IBMのRational事業部は、年次イベント「Innovate 2014」を米フロリダ州オーランドで2014年6月1日から5日(現地時間)にかけて開催した。今回のテーマは「Innovate@Speed」。初日の基調講演では、DevOps(開発と運用の連携)が企業に浸透している事例と共に、「エンタープライズDevOpsの実現には“信頼”の基盤が必要だ」とのメッセージを強調。同社のPaaS(Platform as a Service)である「BlueMix」を前提に、アプリケーション開発・運用の新たな基盤が整ってきたことを印象づけた。

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「信頼」――。Rational事業部のゼネラルマネジャーであるKristof Kloeckner氏はInnovate2014の基調講演で、この言葉を何度も繰り返し、その重要性を強調した。「(プログラミング)コードこそがイノベーションの源泉である。社会やビジネスにおけるすべての仕組みはコードが動かしているからだ。今日のアプリケーション開発ではスピードが不可欠だが、信頼の基盤なしにスピードは高められない」という。
アプリケーション開発のスピードを高める仕組みがDevOpsであることは、最近のInnovateのメッセージからも明らかだ(関連記事『【IBM Innovate 2013】DevOpsに賭けるIBMの勝算』『開発と運用の溝を埋める米IBMの秘策「DevOps」~IBM Innovate 2012』)。では、なぜDecOpsの基盤として今回、信頼を強調するのか。
それは、同社のクラウド環境としてIaaS(Infrastructure as a Service)の「SoftLayer」とPaaS(Platform as a Service)である「BlueMix」のそれぞれへの集中投資により、DevOpsのための技術的基盤が整い、今後はむしろ、その基盤を活用するための利用企業の取り組み姿勢など、これまでの開発方法や企業文化をいかに“破壊”できるかが重要だと判断しているからではないだろうか。
実際、IBMはInnovate 2014の基調講演において、ベータ版として提供してきたBlueMixを6月末には正式版として提供すると発表。欧州やアジア、日本においても順次、正式版を投入する計画も明らかにした(関連記事『米IBM、PaaSの「BlueMix」を6月末には製品化、日欧などにも順次展開』。
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