岡山県津山市の津山中央病院は、紙や電子データで保管している文書から必要な情報を一括抽出するためのシステムを導入した。診療記録の二次利用を促進することにより、医療サービスの質を向上させることを目指す。システムを開発し、同病院と共同で評価実験を実施した富士ゼロックスが、2014年7月9日に発表した。
従来、既存の文書から情報を抽出する際には、目視や手作業による確認・集計といった膨大な手間が発生していた。このため、診療中に得た情報を新たな目的に再活用するのは難しかった。
富士ゼロックスの文書管理製品をベースに開発した新システムは、文書をスキャンして解析する画像処理機能のほか、解析結果を任意の形式に変換して集計する機能を備える。利用者は、PC画面で文書のプレビュー画面を見ながらマウス操作でルールを定義し、情報を抽出・集計できる。
新システムにより、医療の質向上や病院経営の改善を目的とした診療記録の二次利用が容易になる。例えば、手書きの問診表からアレルギー情報を抽出して電子カルテ画面に表示し、処方の参考にするといったことを実現できる。
2014年秋には、診療科ごとに管理している手術記録を情報抽出対象に含める予定。問診票のデータベース化も進めていく。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | 津山慈風会 津山中央病院 |
業種 | 医療法人 |
導入システム | 文書管理システム |
導入目的 | 医療サービスの質向上 |
導入時期 | ─ |
主な利用製品 | 「Apeos PEMaster ProRecord Medical」(富士ゼロックス) |