EMCがこのたび発表したハイエンドストレージの新製品「VMAX3」。「ストレージアレイではなく、エンタープライズ・データサービス・プラットフォーム」と呼ばれるこの製品は、どのようなところが従来のストレージとは異なっているのでしょうか。同社の発表内容から新コンセプトの意味と価値を探ってみます。
「可能性を再定義せよ」
EMCジャパンは2014年7月31日、新コンセプト「エンタープライズ・データサービス・プラットフォーム」とそれに基づくハイエンドストレージ、スケールアウトNAS、フラッシュストレージの各新製品群を発表しました。
一連の新製品は、7月8日に米EMCが「Redefine Possible」(可能性を再定義せよ)というスローガンを掲げて行った発表に基づくものです。このとき同社は、新しいコンセプトで設計された製品群が企業のIT部門にとっての可能性を再定義し、拡張性と効率性を併せ持ったハイブリッドクラウド環境へと向かっていく、というメッセージを打ち出しています。
新製品の中でも目を引くのが、新コンセプトが設計段階から反映されたというハイエンドストレージの「EMC VMAX3」です。同製品は、後述する「HYPERMAX OS」と「Dynamic Virtual Matrix」アーキテクチャを新たに採用した、VMAXシリーズ(国内での旧製品シリーズ名:Symmetrix VMAX)の最新機種となります。
EMCはこの製品を単なるストレージとして紹介しませんでした。「VMAX3はストレージアレイではなく、エンタープライズ・データサービス・プラットフォームという新しいカテゴリーの製品」(EMCジャパン 代表取締役社長 山野修氏)と、相当に力の入ったアピールがなされています。
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