ワコールは、財務会計システムをプライベートクラウド環境に移行させた。IT保有コストの削減やガバナンス向上が狙い。処理性能の大幅な改善も果たした。製品を導入した日本オラクルが、2014年8月6日に発表した。
同社は2013年、運用管理業務の効率化を目指し、グループ企業68社で運用中の50種類に上る業務システムをプライベートクラウド上の共通基盤に統合することを決断。30以上のデータベースサーバーを順次、「Oracle Exadata」に集約する取り組みを進めている。2014年度中に主要システムを統合し、2015年度から新基盤中心の運用管理を実施する予定。これにより、運用管理コストを削減するほか、ITガバナンスを高める効果を見込む。
こうした計画の一環として、「Oracle E-Business Suite」を用いて構築した財務会計システムをプライベートクラウド上に刷新した。運用管理業務の効率化に加えて、処理性能の強化を実現した。売上データを仕分けする夜間バッチ処理時間を半減できたほか、経理データの処理にかかる時間を平均30~40%短縮。さらに、1度に検索できるデータ量が従来の3カ月分から1年分に増えたことから、レポート作成業務の生産性を大幅に向上できたという。
【プロジェクトの概要】 | |
業種 | 繊維製品の製造・販売 |
導入システム | 財務会計システム(プライベートクラウド) |
導入目的 | 運用コスト削減、ITガバナンス向上、システム性能の改善 |
主な利用製品 | 「Oracle E-Business Suite」、「Oracle Exadata」 |