米インテルとマイクロン・テクノロジは2015年7月28日(米国現地時間)、不揮発性メモリの新しい製造プロセス技術となる「3D XPointテクノロジー」を開発し、それに基づくメモリの量産を開始したと発表した。高速なデータアクセスから大規模データの処理に対応し、あらゆるデバイスやアプリケーション、サービスを変革させる可能性を秘めているという。
機械学習や高度データ分析のほか、PCでも高速化の恩恵
背景に、ビッグデータやIoT(Internet of Things)、デジタルサービスの急激な増加など、膨大かつ多様な量のデータの世界的な活用機運がある。「昨今はデータの保存・分析を極めて迅速に実行するニーズが顕著で、メモリやストレージのソリューションを設計する企業にとっては、コスト、消費電力、性能のトレードオフを勘案し最適なバランスのソリューションの実現が新たな課題となっている」(インテル)。
3D XPointテクノロジーは、そうした課題を解決する新しいアプローチと位置づけられている。インテルは、同技術が、性能、集積度、消費電力、不揮発性、コストの各面で従来メモリ技術よりも優位であるとアピールする。
同技術に基づく高速なメモリのユースケースとして、インテルは、小売店において決済と同時に不正パターン検出をする例、医療機関における遺伝子解析や疾病追跡などに必要な機械学習や複雑なデータ処理の高速化の例を挙げる。
加えて、PCの個人ユーザーも3D XPointテクノロジーのメリットを直ちに享受できる。インテルは、インタラクティブなソーシャルメディアやゲーム、コラボレーションツールなどをより円滑に利用できるようになるという例を挙げる。また、デバイスの電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリの技術的特性を生かして、各種の低遅延ストレージアプリケーションへの応用も期待される。
インテルとマイクロンは、すでに3D XPointテクノロジーに基づくメモリ製品の量産を開始し、2015年後半にサンプル出荷が開始される予定だ。