米インテルとマイクロン・テクノロジは2015年7月28日(米国現地時間)、不揮発性メモリの新しい製造プロセス技術となる「3D XPointテクノロジー」を開発し、それに基づくメモリの量産を開始したと発表した。高速なデータアクセスから大規模データの処理に対応し、あらゆるデバイスやアプリケーション、サービスを変革させる可能性を秘めているという。
NANDメモリと比べ速度・耐久性が最大1000倍向上
3D XPointテクノロジーについてインテルは、「不揮発性メモリ分野では1989年のNANDフラッシュ登場以来の新技術である」と紹介している。10年以上にわたる研究開発を経て開発されたという同技術により、プロセッサーのそばでより大容量のデータを保存でき、従来不可能だったスピードでメモリにアクセスできるようになるという。同社によると、3D XPointに基づくメモリは、NANDメモリと比べて速度と耐久性が最大で1000倍まで向上させることが可能で、集積度もDRAMとの比較で10倍向上しているという。
3D XPointが上記のような大幅な性能向上を達成するために採用した技術的手法のうち、インテルは、「クロスポイント配列構造」「積層可能な構造」「セレクター」「高速なセルの切り替え」の4つを挙げて説明している。
クロスポイント配列構造:ワード線とビット線の交差部分にメモリセルが配置される高密度アーキテクチャ。データをより小さな容量で読み込み/書き込みできるようになる。
積層可能な構造:クロスポイント配列構造に加え、メモリセルを複数の層に積層。3D XPoint テクノロジーを採用した最初のメモリは2層で、容量はダイあたり128Gb(ギガビット)。今後予定される将来世代のメモリでは、メモリの積層数の増大に加え、従来のリソグラフィ技術による微細化により、システムの容量のさらなる増大も可能。
セレクター:メモリセルはそれぞれのセレクターに送られるさまざまな電圧でアクセスや読み込み/書き込みが可能。これにより、トランジスターが不要になるため、容量の増大と同時にコストの削減が可能。
高速なセルの切り替え:低遅延のクロスポイント配列、高速な書き込みアルゴリズムなどにより、3D XPointテクノロジーを採用したメモリセルは、既存のあらゆる不揮発性メモリよりも高速にステートを切り替え可能。
3D XPointテクノロジー(出典:米インテル YouTubeチャンネル)