[調査・レポート]
2024年国内ITサービス市場の売上は、富士通、日立、NEC、NTTデータ、IBM、アクセンチュアの順─IDC
2025年7月31日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
IDC Japanは2025年7月30日、2024年の国内ITサービス市場ベンダー売上ランキングを発表した。同市場は前年比成長率7.4%の7兆205億円で、2023年の6.0%を超える成長率を示している。ベンダー売上の上位6社は富士通、日立製作所、NEC、NTTデータ、IBM、アクセンチュアの順。前年とベンダーの構成は同じだが、前年4位の日立が2位に浮上し、日立、NEC、NTTデータの2位~4位が僅差で並んでいる。
IDC Japanは、2024年の国内ITサービス市場ベンダー売上ランキングを発表した。同市場の規模は前年比成長率7.4%の7兆205億円で、2023年の6.0%を超える成長率を示している(関連記事:2023年国内ITサービス市場の売上は、富士通、NTTデータ、NEC、日立、IBM、アクセンチュアの順─IDC)。
ベンダー売上の上位6社は、1位から順に、富士通、日立製作所、NEC、NTTデータ、IBM、アクセンチュアで、6社の構成は前年と同じだが、順位が変わった。前年4位の日立は、前年比売上額成長率13.3%と相対的に高い成長を遂げ、2位に浮上した。図1にあるように、日立、NEC、NTTデータの2位~4位が僅差で並んでいる。

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サービスセグメント別に見ると、全セグメントで上位10社のベンダーがすべてプラス成長となった。IDCは次のように分析している。
- プロジェクトベース市場:デジタルビジネス化に向けた基幹システムの刷新、新規システムの構築需要が旺盛。上位10社中5社の前年比売上額成長率が10%以上プラス成長。
- マネージドサービス市場:プロジェクトベースの後続としての運用サービス案件、契約更改時のサービス価格の上方改定などが各社の売上伸長に寄与。
- サポートサービス市場:デジタルビジネス化に向けたソフトウェア販売の拡大、2023年以降の半導体不足影響の緩和による製品販売の回復などが共通的な成長要因。
産業分野別に見ると、金融、製造、政府/公共の各分野で、上位10社の売上合計額の前年比成長率が7%を超え、相対的に高い成長を示している。「なかでも政府/公共は、中央官庁向けの大型案件が牽引役となり、上位10社中5社が前年比で10%を超える売上成長を記録した。金融分野では大手銀行向けを中心とした既存システムの更改案件が、製造分野ではSAP S/4HANAへの移行を含むシステム刷新案件が、それぞれベンダーの売上拡大に寄与している」(IDC)。
今回の発表は、同社のレポート「国内ITサービス市場シェア、2024年:本格化する大規模基幹システムのモダナイゼーションとAI活用(2025年7月発行)」に基づく。同市場における大手サービスベンダーの競合状況を把握するため、各社の売上をサービスセグメント別/産業分野別に調査・分析している。