2015年5月、経済産業省と東京証券取引所が共同で、上場企業の中から攻めのIT経営を行っている企業18社を「攻めのIT経営銘柄」として選定した。ITを製品開発やビジネスモデル改革に活用した企業を選定したもので、国を挙げて「攻めのIT」を推奨していることを示す動きとなった。2015年10月27日、その攻めのIT経営銘柄の中小企業版ともいうべき「攻めのIT経営中小企業百選」選定企業が発表された。都内で行われた「情報化月間記念式典」の一環として、その表彰式が行われた。
「攻めのIT」とは、社内の業務効率化・コスト削減を中心とした従来の日本型のIT投資を「守りのIT」とし、それに対する企業の製品開発やビジネスモデル変革にITを活用する米国型のIT投資を指したものだ。経産省と東証は、米国では攻めのIT経営に取り組んでいる企業の業績が良いことに着目した。そこで、日本でも同様のIT投資を推進するため、上場企業の中から攻めのIT経営銘柄として選定した。
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今回、攻めのIT経営銘柄の中小企業版ともいうべき「攻めのIT経営中小企業百選2015」の選定企業が発表された。これは、3年間にわたって100社を選定しようという趣旨で行われており、2015年度は第一弾として33社が選定された。
募集は2014年11月から12月にかけて行われ、明治大学 経営学部 教授の岡田浩一氏を委員長とする「IT利活用選定委員会(中小企業部門)」による審査が行われた。審査ポイントは、経営計画におけるIT投資・利活用の位置付け、社内体制および人材、攻めのIT投資の実施状況、効果および事後評価の4点。大企業に比べ事業規模が小さい分、IT投資が事業拡大に及ぼした成果がより明確なのが特徴といえる。
今回選定された33社は別表の通り。経産省、総務省、文部科学省、国土交通省が主催する情報化月間式典の一環として行われた表彰式には、選定企業各社の経営者が参加、経産省商務情報政策局の安藤久佳局長より全員に表彰状が受け渡された。