[イベントレポート]

日本企業の“アジャイル”への備えは万全か、米CAが打ち出す「Agile Management」が求めるスピード感

2015年11月27日(金)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

IT分野で“アジャイル”と聞けば、「XP(eXtreme Programming)」や「Scrum」など開発手法のイメージが強く、開発現場の課題だと考えられているのではないだろうか。しかし、オンラインショップやモバイルアプリケーションが重要な顧客接点になってきた今、“アジャイル”は企業活動そのものに求められる要件だとの認識が高まっている。DevOps(開発と運用の融合)やAPI Managementなど開発現場に向けたツールを強化してきた米CA Technologiesが新たに「Agile Management」を打ち出す理由も、そこにある。

写真1:米CA TechnologiesのCEOであるMike Gregoire(マイク・グレゴア)氏写真1:米CA TechnologiesのCEOであるMike Gregoire(マイク・グレゴア)氏

 「スピードこそが課題。企業はアジャイル(俊敏)に行動できなければならない」「破壊的な進化はベンチャー企業だけのものではない」−−。米CA TechnologiesのCEOであるMike Gregoire(マイク・グレゴア)氏は、同社が2015年11月16日〜20日(米国時間)に米ラスベガスで開催した年次イベント「CA World 2015」における基調講演で、変化に向けたスピード感の重要性を重ねて強調した(写真1)。

 グレゴア氏が「“スピード”が重要」とするのは、ソフトウェア開発である。なかでもEC(Electronic Commerce:電子商取引)サイトやモバイルアプリケーションなど、これからの顧客接点の主流となるアプリケーションが主なターゲットだ。米タクシー配車サービス「Uber」や宿泊場所のマッチングサービス「Airbnb」などによる業界モデルの破壊が引き金になっている。

 UberやAirbnbの例示は聞き飽きた感があるかもしれない。だが、米国では「Uberization(ウーバリゼーション)」と呼ばれるように、金融や小売り、物流などの既存事業を脅かす各種のオンデマンド型あるいはシェアリング型のサービスが、モバイルアプリをテコに誕生している。タクシー業界やホテル業界だけが破壊されているわけでないというわけだ。

ソフトウェアこそが新ビジネス創出のテコ

 しかも、求められるスピード感は、ますます高まっている。グレゴア氏は、ソーシャルゲーム会社のZyngaを例に挙げた。Zyngaは、1億人ものユーザーを抱えていながらも、モバイル対応で後れを取り「わずか8カ月で株価が87%も下がった」という。そのうえで、「技術の変化は予想外の動きを見せており、休む暇なない。しかもイノベーションのサイクルは短期化するばかり。良い波に乗らなければ、後れを取るばかりだ」と訴える(写真2)。

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