ドローン時代の幕開けでスタートアップも増加、FacebookやGoogleはインターネットサービス用途を模索
2016年1月12日(火)山谷 正己(米Just Skill 社長)
ドローン(drone)の利用分野が大きく広がるとの期待が高まっている。シリコンバレーのサンノゼ市では2015年秋、ドローンをテーマにした初の展示会「Drone Worldエクスポ」も開催された。ドローンを開発するスタートアップも増えている。
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ドローン(drone)とは、無人の飛行機のことである。UAV(Unmanned Aerial Vehicle)あるいはUAS(Unmanned Aircraft System)とも呼ぶ。サンノゼ市で2015年秋に開かれたドローンの展示会「Drone Worldエクスポ」では、ドローンメーカーとドローンを使ったソリューション提供会社の計60社が競って製品/サービスを展示した(図1)。
展示会場では利用事例も発表された。鉄道会社における鉄道路線と列車の点検や、保険会社での被災地の状況把握、土木会社の土地の測定などだ。他にも、小売りや配送、農業など様々な分野での利用方法が提案されている。ドローンメーカーを調査しているUAV Globalによれば、ドローンメーカーは世界で473社もある。
Amazonのほか、FacebookやGoogleも開発中
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従来、ドローンは主に軍事目的に使われてきた。ところが、2013年に米Amazon.comが商品の配送にドローンを使う計画を発表して以来、ドローンの商用化がにわかに注目されるようになった。同社は当初、ヘリコプター式のドローンを開発していると伝えられていたが、2015年12月には垂直に離着陸し水平に飛行する新型ドローンの試作機を公開した(図2)。ドローンを使った配送サービスを「Amazon Prime Air」と呼んでいる。
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FacebookとGoogleもドローンを開発している。いずれも過疎地へのインターネットサービスの提供が目的だ。Facebookは2014年3月にドローンメーカーである英Ascentaを2000万ドルで買収、2015年3月に試作品を公開した(図3)。過疎地の上空にドローンを飛ばし、そこから地上に向けてWi-Fi接続サービスを提供する。ドローンの主翼には太陽電池を張り巡らせてあり、半永久的に旋回させることができる。
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