国内大手データセンター/クラウドサービス事業者のIDCフロンティアが、「エコアライアンス」と呼ぶユニークなプログラムを開始しています。これは同社のIaaS「IDCFクラウド」上に構築されたマーケットプレイスに、パートナーが自社の製品やサービスを無料公開できるという試みです。
クラウドファースト時代の製販一体マーケットプレイス
この1、2年、コンシューマークラウドやSaaSの活用に加えて、IaaSやPaaSといった企業ITインフラのクラウド化も進み、国内でも規模や業種を問わずクラウドファーストの考え方が浸透しつつあります(もはやクラウドマストであるという声も聞こえます)。2000年代半ばからITベンダーの喧伝が常に先行したエンタープライズクラウドも、いよいよ本格的な活用フェーズに入ったわけです。
そんな中で、国内大手データセンター/クラウドサービス事業者のIDCフロンティアから面白い試みが発表されました。同社が2016年1月20日より始動した「エコアライアンス」(エコシステムのアライアンスの略)です。IDCFクラウド上に用意されたマーケットプレイスに、「エコアライアンスパートナー」契約を結んだ企業が自社のソフトウェアやサービスを試用版として公開し、ユーザーは使いたいサービスを選んで利用できるという製販一体型のプログラムです(図1)。
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パートナーは、自社の製品を「コミュニティテンプレート」(図2)形式でIDCFクラウド上のエコアライアンスに公開することで、フリーミアムモデルで多数のユーザーに周知したり、ベータ版などの開発途上の段階から、機能や操作性などのフィードバックを取得したりできるようになります。
IDCフロンティアによるとエコアライアンス始動時点のパートナー数は20社(表1)で、CMS、バックアップ、脆弱性診断といったクラウドサービスを試せるようになっています。説明会では、パートナー先行事例として、イノベーション・ファームの秘密分散技術を採用した「分散PortKey」と、フィックスポイントのシステム運用自動化プラットフォーム「kompira」の2サービスが紹介されました。IT部門にとってこうした先進技術の導入はなかなかハードルが高いのですが、製品/正式版の導入に足るかどうかを実際に利用して評価できるわけです。
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