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シスコ、ハイパーコンバージドインフラ「Cisco HyperFlex」を国内で販売開始、その強みは?

2016年4月12日(火)河原 潤(IT Leaders編集部)

シスコシステムズは2016年4月11日、同社初のハイパーコンバージドインフラストラクチャ製品「Cisco HyperFlex System」の国内販売を開始した。米国で3月に発表された製品で、「Cisco UCS」サーバーが担うコンバージドインフラ製品に、仮想化ハイパーバイザーとストレージを追加し、「ポリシーベースでインフラ全体を管理可能なハイパーコンバージドインフラ」として提供する。

 システムベンダー1社が垂直統合型で構成するコンバージドインフラに対して、統合の度合いをさらに高めたハイパーコンバージドインフラ(Hyper-Converged Infrastructure)という呼び方が数年前よりなされるようになった。主なところでは、ニュータニックス(Nutanix)の「Nutanix Xtreme Computing Platform」、ヴイエムウェアの「VMware EVO:RAIL」、ヒューレット・パッカードの「HP ConvergedSystem 200-HC StoreVirtual」などがハイパーコンバージドインフラを名乗って市場に投入されている。

 これらハイパーコンバージドインフラ製品の概ねの共通項として、(1)サーバー、ストレージ、ネットワークの各コンポーネントが一体化した事前構成済みのアプライアンスとして提供されること(ノードの筐体サイズは高さ約8.9cmの2Uサイズが標準的)、(2)ハイパーバイザーによるサーバー仮想化環境が稼働基盤であること、(3)ノードごとの搭載ディスクは分散ストレージ技術により、共用のストレージプールとして効率的に利用可能であること、といった特徴を持つ。各社が謳うユーザーメリットには、アプライアンスならではの迅速な導入・利用開始や、インフラ全体を一元管理可能にする共通の管理コンソールの提供、それによる仮想化環境特有の複雑性の解消などがある。

Cisco UCSを進化・発展させたハイパーコンバージドインフラ

 今回、シスコは、Cisco HyperFlex System(写真1)を投入することで、ハイパーコンバージドインフラ市場に参入する。この市場で言うと後発ということになるが、大元の統合インフラ自体は先駆者であるというのがシスコの言い分だ。

写真1:展示されたCisco HyperFlex Systemの筐体
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 「2009年にCisco UCS(Unified Computing System)を発表した当時、『シスコがサーバー市場に参入した』と報じられたが、我々はユニファイドコンピューティングという新市場を創出する目的でUCSを世に出した」(同社 データセンター/バーチャライゼーション事業 部長の石田浩之氏)。UCSはCiscoネットワーク環境と緊密に統合可能なユニファイドコンピューティングのための製品で、(ハイパーバイザーは持たないものの)コンバージドインフラはすでに実現済みである、というわけだ。そして今回、ハイパーバイザーやストレージも含めて、インフラの統合をさらに進めたのがHyperFlexということになる。

図1:Cisco HyperFlex Systemのアーキテクチャ(出典:シスコシステムズ)
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