香港の鉄道でのカードシステムを巡る大型案件の競合相手、北京鳳凰。最初の訪問では色よい結果は得られなかったが、日本ICTソリューションの佐々木たちは、プロジェクトマネジメントのノウハウを提供すると北京鳳凰の蘇総経理に持ちかけ、再訪の機会を作り上げた。事業部長の三森とともに再度、北京に飛んだ佐々木。再会した蘇総経理は、直前まで出掛けていた米国での感想を一気に話し始めた。
「我々、システムインテグレーターは、今までのようなシステム屋から脱皮していかなければ、テクノロジーの進化に乗り遅れてしまいます。中国での仕事も既に、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)のような先端技術を使ったシステムが大半になってきました。
そのためもあり、当社は多忙を極めています。ただ、先日もお話ししましたように、あちこちのシステム開発プロジェクトで、その進捗や進め方について問題が山積しており困っているのです。ですので、今日、お越しいただいたというわけです」
蘇の話に、三森が答えた。
「そうですか。日本でも蘇総経理が米国で見てこられたのと同様のことが起きています。タクシー配車のUberは、日本の法規制が厳しく普及とまではいきませんが、わずかながら動き出しています。IoTについては今、多くのお客様から要望が集まってきています。EV(電気自動車)も同様ですが、中国の場合は人口も多いので、生産規模も桁違いに大きくなりそうですね。
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