Systems of Record(SoR)とSystems of Engagement(SoE)。この概念は日本でもある程度定着したと言えるだろう。では欧米ではどうなのか。日本のはるか先を行っているのか、それとも何らかの壁に直面しているのか。来日したガートナーのトップアナリストに聞いた。(聞き手は田口 潤=IT Leaders編集部)
デジタルビジネス時代における企業ITには、特性が大きく異なる2種類のITがある。いわゆるSystems of Record(SoR)とSystems of Engagement(SoE)だ。これを米ガートナーは、モード1とモード2からなる「バイモーダルIT(2つの流儀のIT)」と表現する。

表現の違いはさておき、バイモーダルITの浸透度や欧米企業における取り組み状況はどうか。企業のIT部門が取り組みを進める際の壁は何か。あるいは特にモード2(=SoE)にCIOやITリーダーはどう取り組むべきか?来日した米ガートナーのジョン・エンク氏(John Enck)氏に聞いた(写真)。同氏はリサーチ部門のマネージングバイスプレジデントであり、ITリーダーのためのITインフラストラクチャ&オペレーションのチームを率いる人物である。
−−ガートナーは「バイモーダルIT(2つの流儀のIT)」を提唱しています。情報システムを、主に企業内の業務を対象に効率化や合理化のために構築されてきたシステム群と、モバイルやIoTなど新しいデジタル技術を生かして従来は存在しなかったことを実現するために構築されるシステム群の2つに大別し、それぞれに適したやり方で構築・運用するアプローチですね。その意義を改めて教えていただけますか?
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