個人認証の方法が変わりつつある。FinTech(Finance Technology)によって進化する個人認証がSNS(Social Networking Service)や様々なアプリケーション、Webサービスといったネットへと、より一層進もうとしているためだ。安全性と利便性をバランスさせた新たな方法が必要になってくる。
金融分野において、さらなるIT活用を目指す「FinTech(Finance Technology)」が注目を集めている。中でも分散型のデータ管理の仕組みであるブロックチェーンが話題だが、その喧噪の陰で金融機関が大きく変えつつある仕組みがある。個人認証の方法だ。
例えば、りそな銀行は2019年までに、印鑑の代わりに指の静脈情報を使って口座を開設できるサービスを全店に展開する。この仕組みは、2015年7月に東京の豊洲支店で開始したものだ。
KDDIと三菱東京UFJ銀行が共同出資により設立したインターネット銀行である、じぶん銀行は、ATMの画面に表示されるQRコードを読み取ることでスマホ画面に表示される番号と暗証番号をスマホのアプリに入力して取引を実行する仕組みを導入する。これにより、キャッシュカードではなくスマートフォンを使ってセブン銀行のATMから入出金ができるサービスを2017年春から開始する計画だ。
安全性と利便性をバランスさせた新たな方法が必要に
FinTechの活用は、金融機関のサービスのネット化を加速し、結果として個人認証の機会が増えていく。一方で、カードの偽造やパスワードの漏洩、アカウントへの不正ログインといった脅威も増加しているだけに、より安全な個人認証の仕組みが必要とされている。しかし、安全であっても使いにくい仕組みでは、使われなかったり漏洩につながるような使い方をされたりするというリスクがある。安全性と利便性をバランスさせた新たな方法が必要になる。
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