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AIを活用した従業員の心のケアからパフォーマンス向上へ―日立ソリューションズ

2016年12月5日(月)IT Leaders編集部

2015年12月以降、労働安全衛生法の改正により従業員のストレスチェックが義務化された。それに加え、組織のモチベーションを上げ、パフォーマンスを向上させるというポジティブな理由からも、従業員のメンタルケア対策が注目されている。日立ソリューションズは2016年12月1日、人事ソリューション「リシテア」上のデータをベースにAI(人工知能)による従業員のメンタル面の分析を行い、パフォーマンス最大化を図る「リシテア/AI分析」サービスを開始した。

 日立ソリューションズのリシテアは、従業員の勤怠管理から人事・総務部門が行う業務までをカバーする統合HR(human resources)ソリューション。1994年に提供を開始して以来、累計利用者数約160万人、累計導入社数は約1100社に達している。

 今回、このリシテアに蓄積された人事関連情報に加え、社内外の様々なデータをAIで分析して従業員のパフォーマンス向上を図るサービス「リシテア/AI分析」を開発、第一弾サービスとして「組織ストレス予測サービス」「組織パフォーマンス診断サービス」を2017年に提供開始することを発表した。

 リシテア/AI分析は、勤務管理、給与、人事評価、健康管理など、リシテアで一元管理されている人事・労務関連データと、財務会計やプロジェクト管理など他のシステムからのデータを、分析対象データとして統合管理する。また、健康に関するセンシティブな個人情報を扱うため、ID置換や匿名化といった対策を施し、データ送信時は日立ソリューションの情報漏洩防止ソリューション「秘文」で暗号化する。

 第一弾サービスとして提供される組織ストレス予測サービスは、リシテアで統合管理されているデータから勤怠管理情報や人事情報、従業員へのアンケート情報などを抽出してAIで分析、過去の従業員の働き方から、ストレスケアが必要な働き方をしているとみられる従業員を予測する。

 具体的には、過去数カ月間の「リシテア/就業管理」「リシテア/人財」「リシテア/HR/PR(人事給与管理)」、休職者情報、社員アンケート情報などの過去データに基づき、AIが休職との相関要因を抽出してストレスケア対象者の予測モデルを構築する。この予測モデルを、毎月の最新データに適用させることで、現在ストレスケアを必要とする従業員を予測する。

 実際には従業員ごとに状態がわかるようになっているが、個人の情報は産業医などの健康管理者向けに提供される。部門管理者に対しては、自分のチームのストレスケア対象者が1か月後、2か月後にどれだけいるかの数値予測を示して、対策を促す。日立ソリューションズは、自社の実証実験で全求職者の40%を予測できたとしている。

 組織パフォーマンス診断サービスは、業績に関する情報と人事関連情報などをAIで分析して、業績やモチベーションの高さと関連性の高い指標を抽出する。例えば、パフォーマンスが高い組織が、会社平均と比べて組織内の女性比率が高い、あるいは懇談会制度の利用回数が多いといった指標を出す。管理者は、これらの指標と自部門の現状を比較して、パフォーマンスを向上させるにはどのような改善が必要になるかがわかる。

 サービス提供時期は、組織ストレス予測サービスが2017年2月、組織パフォーマンス診断サービスは2017年5月。第二弾以降としては、離職防止サービスや人財最適配置サービス、能力開発支援サービスなどを検討している。組織ストレス予測サービスは従業員1000人以上の企業が対象で、価格は300万円から。組織パフォーマンス診断サービスは個別見積もり。

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