[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】“中国のAWS”Alibaba Cloud、ソフトバンクとの協業で日本上陸、ほか

2017年1月10日(火)足立 治男

中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。

ファーウェイ、英BTグループと5G技術の共同研究へ

―第一財経日報(2016年12月9日)

 中国通信機器最大手ファーウェイは、公式ウェイボーで、同社は英通信キャリア最大手のBTグループと業務提携を行い、共同で5G技術の研究開発を行うことを明かした。

 ファーウェイとBTグループは、英国サフォーク州の州都イプスウィッチなどの研究室を共同で使用し、主にネットワークアーキテクチャ、5G New Radio、ネットワークスライシング技術を活用したIoT機器通信、セキュリティ技術などの研究開発を行う。

 ファーウェイ董事長(代表取締役)兼輪番CEO(同社では半年ごとにCEOを交代)の胡厚崑氏は、「英BTグループとは十数年来の業務提携を行っており、我々の誇りである。今回の研究開発分野での提携は新たな製品やソリューション開発の促進となる。ファーウェイは英国に進出して15年となるが、今後もBTグループと共に英国のアクセス向上に貢献する」とコメントした。

 胡氏のコメントのとおり、今回の5G研究開発は双方の既存の業務提携の基礎に基づいて展開されるとのことだ。2016年10月には双方の研究により、イプスウィッチとロンドンの間の360キロメートルリンクで最大3Tbpsの接続速度を達成した。この他、BTグループ傘下のオープンリーチでのアクセス回線で、400Gbps伝送の研究を行っているという。

中国スマートフォンの出荷台数シェア、中国製が85%に

―界面(2016年12月11日)

 工業・情報化省電信研究院傘下の中国情報通信研究院が発表した統計「2016年11月国内携帯市場動向分析報告」によると、中国国内での携帯電話(スマートフォンを含む)の出荷数の増加速度は停滞しているが、中国国産携帯電話の市場シェアは継続して拡大していることが明らかになった。

 2016年1~11月における中国国内携帯電話市場での出荷数は4億9700万台で、前年同期比7.6%の増加となったが、市場に投入された新製品は1320機種で、同4.1%の減少となった。内、2016年11月単月における中国国内携帯電話市場での出荷数は5452.1万台で、前年同期比2.4%の増加、市場に投入された新製品は99機種で、同34.0%の減少となった。

 中国国産携帯電話のシェア率については、2016年1~11月における中国国産携帯電話の出荷数は4.42億台で、前年同期比16.1%の増加となり、同期におけるシェアは89.0%であった。内、2016年11月単月中国国産携帯電話の出荷数は4610.4万台で、前年同期比4.5%の増加、同期におけるシェアは84.6%であった。

 2016年1~11月に市場に投入された新製品の内、スマートフォンは1137機種で、前年同期比5.5%の増加となり、同期に市場投入された新機種の86.1%となった。その内、アンドロイド端末は802機種、中国国産ブランドは84.6%、海外ブランドは15.4%となった。今や中国国産携帯が中国国内携帯電話市場の大多数を占める存在となったことは明白な事実となった。

 市場調査会社IDCの統計によると、2016年7~9月期における中国国産携帯電話メーカーOPPOとvivoの中国国内市場への出荷数はそれぞれ2010万台と1920万台で、初めて中国市場での出荷数1位と2位となった。それにファーウェイ、シャオミ、米アップルが続いている。このOPPOの出荷数は、シャオミの約2倍になるというから驚きである。この他、注目すべき点として、シャオミと米アップルの同期における出荷数は、それぞれ前年同期比で42.3%と34.1%と減少している一方、OPPOとvivoの出荷数はそれぞれ同106%と101%という驚異的な数字で増加しているという。

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